胃がん検査の重要性~誰が受けるべきか、どの検査を選ぶべきか~
日本のバレーボール代表選手である藤井直伸選手がステージ4の胃がんと診断されたことが話題となりました。胃がんに関するブログ第2弾として、どのような方が胃がん検査を受けるべきか、またどの検査が最適かについて解説していきます。今回は、さらに詳細にわたり、検査の種類や適切な対象者について説明します。
I. どのような方が胃がん検査を受けるべきか
ピロリ菌除菌を過去に行った方
過去にピロリ菌除菌を行った方は、除菌後も慢性炎症の痕跡が残ることがあります。これを「萎縮性胃炎」と呼び、胃がんが発生するリスクがあります。除菌後10年経っても胃がんが発症することがあるため、定期的に胃カメラ検査を受けることが推奨されます。ピロリ菌除菌の判定が確認できていない方
除菌治療を受けたものの、除菌の成否が確認できていない方は、胃カメラ検査および除菌の確認検査が必要です。除菌できていない場合は、再度除菌治療を行うことで胃がんのリスク軽減が期待できます。健診で要精密検査指示を受けた方
健診で胃バリウム検査や胃カメラ検査などで要精密検査を指示された方は、早急に胃カメラ検査を受けることが重要です。放置してしまうと、健診の意味が失われてしまいます。自治体の胃カメラ健診が受けられる方
自治体で胃がん健診の一環で胃カメラ検査が受けられる場合があります。自治体の費用で検査が受けられるため、この機会を活用しましょう。家族に胃がんの患者がいる方
家族に胃がんの患者がいる場合は、胃がんの遺伝的な要素が関与していることがあります。そのため、家族歴がある方は、特に胃カメラ検査などで定期的な検診を受けることが望ましいです。50歳以上の方
胃がんの発症リスクは年齢とともに上昇します。50歳以上の方は、定期的に胃カメラ検査を受けることで、早期発見が可能になります。喫煙者
喫煙は、胃がんのリスクを高める要因の一つです。喫煙者は、定期的な胃がん検査を受けることが望ましいです。
食道がんのリスクもありますので。合わせて注意が必要です。
II. どの検査が最適か
- 胃バリウム検査
胃バリウム検査は、飲むだけで簡単に胃の粘膜を観察できる検査です。ただし、初期の胃がんを見逃しやすいというデメリットがあります。 - 胃カメラ検査
胃カメラ検査は、直接胃の内部を観察できるため、初期の胃がんを発見する確率が高い検査方法で、より高い解像度の画像が得られるため、より正確な診断が可能です。ただし、苦痛を伴うことがあるため、検査を受ける際には注意が必要です。当院では苦痛の少ない胃カメラを心がけております。 - 血液検査
血液検査では、胃がん特有の腫瘍マーカーを調べることができます。ただし、腫瘍マーカーは必ずしも胃がんの有無を特定できるわけではないため、他の検査と併用して診断することが望ましいです。血液検査は、他の検査と組み合わせてリスク評価や進行度判定に役立てられます。 - ヘリコバクター・ピロリ抗体検査
胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌の感染有無を調べる検査です。感染が確認された場合、除菌治療を行うことで胃がんのリスクを軽減できます。ただし、この検査だけでは胃がんの診断はできないため、他の検査と併用が望ましいです。
まとめ
胃がん検査は、自身のリスクや家族歴によって受けるべき検査が異なります。適切な検査を選ぶことで、胃がんの早期発見に繋がります。特に、ピロリ菌除菌を行った方や家族歴がある方は、定期的に胃カメラ検査を受けることが重要です。健診などでも胃がん検査が提供されている場合がありますので、適切な検査を受けることで、胃がんのリスクを最小限に抑えましょう。また、喫煙やストレス、年齢など、さまざまな要因によって胃がんのリスクが変動するため、自分の状況に合わせて検査を選択し、定期的に受けることが大切です。また、検査だけでなく、健康的な生活習慣の維持や食生活の改善も、胃がん予防に役立ちます。