脂肪肝にはフィブロスキャン検査
(脂肪肝、非アルコール性脂肪性疾患/NAFLD、非アルコール性脂肪性肝炎/NASH、肝硬変など) 

フィブロスキャン

フィブロスキャン検査について

フィブロスキャン

フィブロスキャンフィブロスキャン検査とは、体表に当てた特殊なプローブから出される超音波と振動がどのように伝わるかを確認し、肝臓組織の中の脂肪量や肝臓の硬度を数値化する検査です。
無痛で検査ができるというメリットがあり、プローブから出る多少の振動がある程度で患者様へのご負担は少なく、安心安全に検査を実施できます。
また、検査時間は1回あたり1~2分程度と短く、お忙しい方でも受けやすい検査です。
はじめて受けられる方は腹部エコー検査とあわせて実施することも可能です。

超音波検査について

フィブロスキャン検査の対象

非アルコール脂肪性肝炎/NASH(ナッシュ)の疑いのある方

ほとんどお酒を飲まないのに脂肪肝となっている方の中には、肝硬変に発展してしまう方もわずかにいらっしゃることが分かっており、そうした状態は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:nonalcoholic steato-hepatitis)と定義されています。
NASHの方とそうでない方を区別するために、従来は肝生検などの身体への負担が大きい検査が主流でした。
しかし、フィブロスキャン検査によって、外来で負担が少ない形で肝臓の硬度を調べることが可能となり、肝硬変の進行度合いをチェックできるようになっております。
また、非アルコール性脂肪性疾患はNAFLDと呼ばれるケースもあります。

非アルコール脂肪性肝炎/NASH(ナッシュ)

脂肪肝があって慢性肝炎の可能性のある方

従来は肝硬変へ進行した疑いが強いNASHの患者様に対して実施していましたが、最近では脂肪肝で慢性肝炎の疑いが強い患者様も対象となっております。そのため、これまで以上に多数の脂肪肝の患者様の検査に対応できるようになりました。
従来は血液検査の結果が芳しくない方(繊維化が進行している疑いがある方)に限って検査を実施していましたが、より多くの方を検査できるようになったことで、繊維化が進行する前の方も含めて対象となっております。
血液検査だけでなくフィブロスキャン検査も行うことで、脂肪肝を数値で確認し、治療効果がどれくらい出ているか確認することにも役立っております。

肝硬変への進展の可能性のある(肝繊維化の可能性がある)他の肝臓疾患

肝硬変に進行するにつれて、肝臓は繊維化してしまいます。繊維化が進行するにつれて肝臓の硬度が増して肝硬変へと至ります。肝硬変に陥ると肝機能低下が起こり、様々な症状が出ます。
フィブロスキャン検査では、繊維化の進行度合いを確認することが可能であり、繊維化をわかりやすく数値で表すことができます。従来は、繊維化の進行度合いを確認するために、入院の上で肝生検という患者様に大きな苦痛を強いる検査をする他ありませんでしたが、フィブロスキャン検査によって外来で患者様の負担も減ることに繋がりました。
対象となる疾患は、原発性硬化性胆管炎(PSC:Primary sclerosing cholangitis)、原発性胆汁性硬化性胆管炎(PBC:Primary Biliary Cholangitis)、ウイルス性肝炎(B型肝炎、C型肝炎)などであり、慢性肝炎による繊維化が進行すると肝硬変に至るリスクがある場合が対象となります。
フィブロスキャン検査の検査方法は煩わしいものではなく、数ヶ月ごとに複数回の実施も可能となるため、治療効果の確認や治療スタート時の数値確認の際に真価を発揮するものと言えます。

フィブロスキャン検査の手順

フィブロスキャン

ベッドに横たわり、右側腹部の上側(肋骨付近)の肌にゼリーを塗布したプローブを当てる程度で良いので、簡単に実施できます。腹部エコー検査と似たような姿勢で検査を受けていただきます。
検査中はプローブより発せられるちょっとした振動を感じる程度で痛みもありません。検査時間は1~2分程度で終了します。

フィブロスキャン検査で測れる数字

数値

肝硬度測定(VCTE:vibration-controlled transient elastograpy)

プローブを肌に当てて振動を送ることで、振動の伝達スピードによって肝硬度を測定します。
肝硬変の進行に伴って肝硬度は高くなっていきます。
測定値を元に肝硬度をF0〜F4の5段階で表します。

VCTE

肝脂肪量測定(CAP:Controlled Attenuation Parameter)

肝脂肪が増えるにつれて超音波の伝達は難しくなるという原理に基づき、肝脂肪の量を検査します。肝硬度測定とあわせて実施可能です。
測定値を元に肝脂肪量をS0〜S4の5段階で表します。

CAP

フィブロスキャン検査
について

検査費用はどれくらいですか?

フィブロスキャン検査は保険適用の範囲内で実施できます。費用は3割負担で、フィブロスキャン検査単体は600円程度となりますが、保険適用とする関係で腹部エコー検査や血液検査も同時に行うことがありますので、実際にはフィブロスキャン検査以外の費用もご負担いただく場合があります。

検査前の食事で制限することはありますか?

腹部エコー検査を同時に行うケースがしばしば見られるため、検査の6時間前から絶食するようお願いいたします。検査の3時間前に食事を終えていればフィブロスキャン検査の実施自体はできますが、食事によって検査結果に影響が出る可能性がありますので注意が必要です。

検査に行く際の服装に指定はありますか?

検査時に胸下付近まで服を上げていただくため、ワンピースなど上下が分かれていない服装はお控えください。

エラストグラフィとの相違点について教えてください。

エラストグラフィとは、体の組織の硬さを確認する検査方法のことです。具体的には、超音波検査装置を用いて乳腺や甲状腺の硬さを確認する場面などで実施されます。当院で行うフィブロスキャン検査は肝臓の硬さを確認するエラストグラフィの一つですが、肝臓以外の硬さを確認することはできません。フィブロスキャン検査は2003年頃から欧州で行われるようになったもので、その他のエラストグラフィ検査よりも検査方法が簡単という特徴があり、また、毎回の検査の際の患者様の体の状態の差や検査担当者による個人差も生じにくい検査機器と考えられています。

いかなる場合でもフィブロスキャン検査の検査結果は信用度が高いものでしょうか?

測定する範囲に異常な組織、水分、空気などが含まれると検査結果の信用度は低下してしまうため、検査の実施自体を見送る場合があります。例えば、測定範囲に腫瘍がある方、腹水がたまっている方、重度の肥満体質の方などが検査見送りの対象となる場合があります。したがって、フィブロスキャン検査が適切に実施可能かどうか、腹部エコーを事前に実施することで検討いたします。初めて検査される方、前回の検査から時間が空いてしまった方に腹部エコーを依頼するのにはこうした背景があります。

検査の予約は可能でしょうか?

診察の予約をお取りください。受診時にフィブロスキャン検査が必要かどうかを判断させていただきております。保険診療のため好きなだけ検査ができるわけではないことをご了承ください。
また、予約が無い場合でも検査できることもありますが、予約がある方を優先しておりますので、待ち時間が発生するケースもある点についてはご了承ください。

さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック以外でもフィブロスキャン検査を受けることはできますか?

当院の本院である、「東長崎長崎駅前内科クリニック」(東京都豊島区)と同様に検査を受けていただくことができます。
フィブロスキャン検査は対応しているクリニックは少ないため事前にお住いの地域のクリニックの状況を確認されると良いでしょう。調べ方がわからない場合は当院で検査の相談をお受けすることもできますので、お気軽にお問い合わせください。

フィブロスキャンとは

著者

理事長さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック
和光市駅前院

理事長 吉良文孝

資格

日本内科学会認定 認定内科医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本消化管学会認定 胃腸科指導医
日本糖尿病学会

経歴

平成15年東京慈恵会医科大学 卒業
平成15年東京警察病院
平成23年JCHO東京新宿メディカルセンター
平成29年株式会社サイキンソーCMEO
平成30年東長崎駅前内科クリニック開院
 
keyboard_arrow_up