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胃がキリキリ痛い・胃痛・心窩部痛・みぞおちの痛みについて
患者様の多くは、「胃がキリキリ痛い」「胃の近くが痛い」、「みぞおちが痛い」、「あばらの近くが痛い」、「胸の下が痛い」、「臍の上が痛む」、「胃の辺りがシクシクする」、「ズキズキする」などの症状を訴える傾向にあります。
胃の痛みが起こった場合は、適切な消化器内科・胃腸科に受診をしましょう。
内視鏡ができる施設が望ましいですが、まずは外来診療をしっかり行っている医療機関で診察を受けてください。
非常に緊急性の高い胃痛・心窩部痛
以下のような症状があれば大至急で対応が必要な状況です。放置せず病院での診察を受けましょう。
- 少し体を動かすくらいで胃痛がする
- 吐き気・嘔吐(粘液の様なものを吐くなど)
- チクチク・キリキリするような痛み
- 冷や汗がずっと続いている
- 眠れないくらいの激痛
- 血を吐く(吐血)
- 痛み以外の顕著な症状(持続する発熱)
- 突然起こった強く鋭い腹痛
なるべく早く専門医に相談すべき胃痛・心窩部痛
以下のような症状があれば消化器疾患が原因となっている恐れがありますので、速やかに専門医へご相談ください。
- 慢性的な痛み(キリキリ・しくしく・チクチク)
- 発熱、胃もたれ、胸やけ、便秘、下痢などの症状が伴う
- 市販薬では効果がない
- 今まで胃の不調がなかった方の胃痛
- 繰り返す腹痛
- 食後の起こる胃の痛み
緊急度が低く治療を急ぐ必要がない胃痛・心窩部痛
以下のような症状があれば急ぐ必要はありませんが、なかなか症状が収まらない場合は専門医へご相談ください。
- 鈍痛があるが休むと治る
- 胃痛以外の症状はない
- 水を飲む、食べること自体が全く問題ないときの胃の痛み
胃痛・心窩部痛の原因
胃痛・心窩部痛は生活習慣の影響が大きく、ストレス、不規則な食生活などが影響します。その他、胃粘膜に炎症が出る胃炎や胃潰瘍の原因となるピロリ菌感染によっても多くの場合で胃痛・心窩部痛を引き起こします。
胃のキリキリ・チクチクには色々な原因があります
ストレス
重度のストレスによって心身の負担が大きくなると、胃腸の動きに関係する自律神経に異常が起こり、胃の動き(機能)の低下によって胃痛・心窩部痛が起こります。
また胃酸の分泌過剰により、胃粘膜に刺激が起きると痛みとして自覚する場合があります。
気質的異常がないが胃の症状がある機能性ディスペプシアもストレスとの関連があります。
食生活の乱れ
刺激が強い食べ物、暴飲暴食などによって、胃腸の働きが鈍ることで胃痛・心窩部痛など複数の消化器症状の原因となります。
時間をかけずに早食いをしてしまった時などは、胃の動きの低下が起こり痛みの原因になりえます。
カフェイン摂取でも胃酸が増えますので、ブラックコーヒーが好きな方は注意です。
ピロリ菌
![ピロリ菌](https://wakoshi-naika.com/wp-content/uploads/2023/03/pixta_34615464_M-1-e1678246762813-768x576.jpg)
ピロリ菌感染によって胃炎・胃潰瘍の原因となります。現代社会では衛生環境が整備されているため感染することは稀ですが、過去に不衛生な環境で上下水道を使っていた高齢者世代ではピロリ菌に感染している恐れがあります。若年層も両親から菌がうつる恐れがあります。
ピロリ菌は胃がんのみならず、胃・十二指腸潰瘍の原因にもなります。
内服薬での治療が可能ですので、積極に除菌療法を行っています。
胃のキリキリする痛み(心窩部痛)が改善するケースもあります。除菌前後での胃酸の分泌量のバランスの変化で症状の改善も変化します。
胃痛・心窩部痛を引き起こす疾患
胃痛・心窩部痛は以下のような疾患によって起こり得ます。
色々な病気で胃のキリキリ・チクチクが起こります。
お話だけでは鑑別が困難なことが多いです。
胃がん
胃痛は胃がんの典型的な症状です。胃痛を治療せずにいると胃がんの早期発見ができず、場合によっては命に関わるような事態にも繋がりかねません。なかなか症状が収まらない場合は一度胃カメラ検査を受けることをお勧めします。
胃がんには特有の症状がないため、診察のみでは判断がしにくく、少しでも胃がんの可能性がある場合は積極的な胃カメラ検査が必要です。
特に過去にピロリ菌の除菌を行ったことのある方は萎縮性胃炎になっているため、胃がんのリスクのある状態ですので要注意です。
慢性胃炎・急性胃炎
胃炎によって胃もたれや胃痛が引き起こされることがあります。なかなか症状が収まらず痛みが続く場合は一度専門医へご相談ください。
慢性胃炎の原因はピロリ菌が多く、除菌が必要です。
急性胃炎は重篤なことはあまりありませんが、時に吐血を伴うものもあります。その際は早めの受診をして下さい。
アニサキスと言った寄生虫でも同じような症状があることが有ります。その際は胃カメラで除去術を行える止血に受診しましょう。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃の不快感・胃痛・吐き気・黒い便(タール便)・食欲不振などの症状が起こり得ます。
潰瘍の場合は特にキリキリなどの痛みが出やすいです。
胃・十二指腸潰瘍の原因の多くはピロリ菌によるものですが、鎮痛剤などの薬剤の副作用によるものもあります。
普段飲んでいる薬にも注意しましょう。受診の際は薬剤の情報を持参しましょう。
逆流性食道炎(GERD)・胃食道逆流症
主に食道に胃酸が逆流することによって、胸やけ、のどの違和感、胃痛、吐き気などの症状を起こすことがあり、治療せずにいると食道がんの発症リスクが高まりますので、ご注意ください。
タバコ(喫煙)や飲酒の習慣のある方は症状が悪化しやすいことが有ります。
機能性ディスペプシア(FD)
検査などでは特に器質的な異常(目視で確認できる形状異常)は見つかりませんが、腹部膨満感や胃痛などの症状が起こることがあります。胃カメラ検査できちんと状態を確認し、適切な診断をすることが重要となります。
元気なのに胃や食道が辛いという方です。胃カメラなどの検査を行っても、胃粘膜に異常がなく、食道も食道炎などの諸見もなく正常です。
症状の出方は色々あります。
気持ち悪い・お腹が張る・食欲がない・胃がキリキリ痛いなど
胃痛・心窩部痛の検査方法
著者
資格
日本内科学会認定 認定内科医日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本消化管学会認定 胃腸科指導医
日本糖尿病学会
経歴
平成15年 | 東京慈恵会医科大学 卒業 |
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平成15年 | 東京警察病院 |
平成23年 | JCHO東京新宿メディカルセンター |
平成29年 | 株式会社サイキンソーCMEO |
平成30年 | 東長崎駅前内科クリニック開院 |