胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡検査の選び方
~医療機関によって特徴が異なります~

胃カメラ・大腸カメラなど
内視鏡受ける医療機関
を選ぶポイント

内視鏡室胃カメラや大腸カメラを受ける医療機関を選ぶポイントが分からない方も多いかと思います。

前提として、経験豊富な医師が担当すれば内視鏡検査の苦痛は無いのかというと、そういう訳ではありません。
内視鏡検査の経験が豊富な医師が担当したとしても、苦痛が生じることはあります。
したがって、経験豊富な医師が担当した場合は苦痛が生じる可能性が低いというのが正しい答えになります。
実際に、どの医師が担当しても苦痛を感じたという患者様もいらっしゃいます。
胃カメラではの喉の感覚が敏感な方、大腸カメラでは腸の感覚が敏感な方以外に複数回の開腹手術を行った方、大腸憩室が顕著な方などが上げられます。

医師の経験・ノウハウで取り除けない検査時の苦痛をなるべく少なくするために、各医療機関があらゆる手を尽くしています。
例えば、挿入時の嗚咽などを緩和するために、最新の検査機器の導入や、全身麻酔下で検査を行うなどの方法が挙げられます。

以下でどのようなポイントで選べばよいか基準を説明させていただきます。

内視鏡
(胃カメラ・大腸カメラ)
を受ける医療機関を
選ぶときのポイント

<Point①>鎮静剤使用のあり・なしを選択できるか

A.鎮静剤使用を選択できる方が良い

~理由~

鎮静剤この場合の鎮静剤は静脈注射を使用した全身麻酔のことを指します。

内視鏡検査で生じる苦痛には個人差があります。例えば、胃カメラ検査では、咽頭反射を起こしてしまう方がいる一方で、全く起こらない方もいます。大腸カメラ検査でも痛みに苦しむ方もいる一方で全く痛みを感じない方もいます。

したがって、苦痛の感じ方には個人差がありますので、どんな医師が検査を行っても苦痛があるという方がいらっしゃいます。「鎮静剤無しでの検査は考えられない」という方に対しても精度の高い内視鏡検査をご案内できるよう、鎮静剤使用を選択できる医療機関にご相談ください。

最近では、「内視鏡検査の際には鎮静剤の使用が不可欠」という考え方が検査実施医の中でも広まっており、患者様も鎮静剤を使って検査することが当たり前と考えている方もいらっしゃいます。そのため、鎮静剤についての事前説明を省略して、さも当たり前のように鎮静剤を使用する医療機関が存在することも事実です。

しかし、鎮静剤の使用が必ずしも正しいと断言することはできません。鎮静剤使用におけるメリット・デメリット、使用の要否について適切な説明を行う医療機関に相談することが望ましいでしょう。

また、授乳中の方など鎮静剤の使用を望まない方にもご意向を尊重してもらえる医療機関が望ましいと言えます。

鎮静剤ではなく鎮痛剤という選択肢もありますので、様々な選択ができる医療機関を選ぶと良いでしょう。

麻酔をせずに内視鏡検査をする際は、麻酔ありで検査を行う場合と比べて、苦痛を抑えてスコープを挿入するための洗練されたテクニックが求められます。麻酔なしで検査も相談をできる医療機関は技術力が高い可能性があります。

患者様の状況に応じて、適切な説明の上で使用要否を相談できる医療機関が望ましいでしょう。

また、使用基準を満たしていない鎮静剤を使っている医療機関があることもありますのでご注意ください。

<Point②>専門医資格を持った医師が在籍しているか

A.専門医資格は医師の技量を図る大きな要素となる

A.専門医資格は医師の技量を図る大きな要素となる
~理由~

「日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医」という資格は、医師の保有可能な資格の一種として知られています。
これは、日本消化器内視鏡学会の定義する幾つかの基準をクリアした医師が保有できる資格で、内視鏡検査に対する熟練度を表すものとなります。

内視鏡検査は上記のような資格が無くても実施可能ですが、より高度な検査を受けたいという方は消化器内視鏡専門医資格を保有する医師が在籍している医療機関を選ぶと良いでしょう。

また、その他にも消化器病専門医という資格も存在します。内視鏡検査は検査の後の治療も含めて適切な対応が求められるものです。消化器病専門医資格がある医師であれば、消化器疾患への経験・ノウハウを相応に持っているという証ですので、医療機関を選ぶ際の基準として覚えておくと良いでしょう。

さらに、日本専門医機構に認可された基本領域・サブスペシャリティー領域の専門医資格を持っている医師は、その他の領域でも高度な医療を提供できるという証となります。

消化器外科専門医、肝臓専門医についても内視鏡と関係が深い領域です。

専門医資格が全てではありませんが、持っている資格の種類によって医師の経験値を相応に推測できる場合もあります。

例えば、外科学会、肛門学会、胆道学会の資格を持っている医師は、内科系の外来の経験よりも検査の経験が長いと推測できる場合があります。

検査のスキル、検査に限らず多角的な視点での診察、長期的な治療など、ご自身が重視したいポイントに合わせて医師の得手不得手を見極めることが重要となります。

<Point③>最新設備を導入しているか

A.高度な医療を提供するには最新の医療機器が不可欠

~理由~

患者様が高度な内視鏡検査を受けていただくために、最新の医療技術を用いることは非常に重要な要素となります。最近では、医療技術の進歩、医療機器メーカーの企業努力によって、高性能な医療機器が数多く登場しています。医療設備にもしっかり投資している医療機関であれば、投資領域への熱量も高いと判断できるため、高度な医療を提供している可能性が高いとも言えます。

内視鏡検査機器においては、規模の大きな内視鏡メーカーが出している最新の検査機器を使っているかどうかが重要となります。

各メーカーは5から7年スパンで最新機器をリリースしています。通常の医療機関では毎年機器を入れ替えることは珍しいため、5から7年スパンで新しい機器を導入している医療機関であれば最新の医療機器をしっかり準備できていると判断できます。

また新規開業のクリニックの際は、導入している機器がその当時の最新機器である場合は、内視鏡検査に対しての意識が高い医療機関と言えるでしょう。
注意が必要なのは内視鏡装置は内視鏡装置の本体(光源とも言います)と内視鏡スコープ(医師が持っている胃カメラや大腸カメラ自体)の組み合わせでできています。
光源のみ最新、胃カメラのみ最新、大腸カメラのみ最新などという事もありますのでチェックが必要です。

<Point④>大腸内視鏡の前処置で使う下剤は、院内・院外どちらかの服用を選択できるか

A.院内で服用可能な方が安心して検査に臨める

~理由~

院内下剤検査当日に下剤を服用する方法は以下の2パターンが一般的です。

  • 自宅で前処置の下剤を服用
  • 院内で前処置の下剤を服用

しかし、大腸カメラ検査に対応している医療機関の中には、院内での服用ができないところもあります。
また、そういった機能を持っていない医療機関があるということも事実です。
服用方法については、患者様のご希望に応じて選ぶことができればそれに越したことはありませんが、下剤を飲む場所にご希望がある場合多々あります。

そうした事情を踏まえ、院内での服用が可能な医療機関の方が患者様にとっても安心です。院内・自宅(院外)での服用を患者様が選ぶことができる医療機関に相談することが望ましいでしょう。

下剤を院内で飲む患者様の多くは、高齢者、遠方からお越しになる方、重度の症状がある方ですので、下剤を院内で飲むことが可能な医療機関は、遠方の患者様からも信頼されている、総合病院などのように高リスクな疾患にも対応可能ということを裏付けているとも考えられます。

また内服する下剤にも数多くの種類があります。患者様の状態にあわせた下剤の選択をしてもらえる医療機関であると尚安心です。

<Point⑤>内視鏡検査の実績は豊富にあるか

A.熟練の医師が在籍している医療機関が望ましい

~理由~

内視鏡内視鏡検査は経験豊富な医師の方が精度の高い検査を行うことができる傾向にあります。

具体的には、以下のような項目で経験の差が出やすいと言われています。

  • 大腸カメラでのポリープの発見率
  • 大腸カメラにおいてスコープを最深部まで挿入するスピード
  • 小さな病変でも漏れなく見つけることができるか
  • 患者様の負担をどれほど軽減できるか

上記については、内視鏡検査の対応経験によって変動すると考えられます。なるべく精度が高い検査を受けるためにも、事前に医療機関のホームページで検査実績を確認できるといいでしょう。

10,000件以上の内視鏡検査に対応したことがある医師が望ましいでしょう。
実績が10,000件以上あれば、30,000件でも100,000件でも実際に検査を受けていただく際にさほど影響は無いと考えられます。
ホームページを見ても実績がわからない場合は、内視鏡を扱う経験が15年以上ある医師であれば概ね条件を満たしていると考えていいでしょう。
クリニックでは対応できないような高度な検査や総合病院が担当するような緻密で長時間の治療時間を要する内視鏡手術などについては、実績が豊富な高度医療機関に相談されることをお勧めしますが、そのようなケースはそれほど多くはありません。
内視鏡検査に実績のあるクリニックでまずは検査を受けていただき、必要に応じ高度医療機関に紹介をうけるのがよいでしょう。

また、大学病院の内視鏡センターなどのハイボリュームセンターにて長期間の勤務経験がある医師は、内視鏡検査の技術や診断が洗練されていると考えられます。
なお、検査に特化して経験を積んでいるため、検査以外の外来診療・全身の診療・治療などは苦手としている医師がいるということも事実です。
内視鏡検査の経験が豊富な医師は、大学病院の内視鏡関係の部署で長くキャリアを積んでいると、上記に該当することがあります。

また、内視鏡の挿入における技術と病変を見つける技術は全く別のものです。検査時にその2つを同時に対応するため、どちらの技術も磨かれていくことが一般的ですが、医師によっては技術レベルにばらつきがあることも考えられます。 内視鏡の挿入における技術を見極めるためには、「痛みが少なかった」といった口コミなどを参考にしてみることも一つの手です。なお、検査時に麻酔を使用することが当たり前になってきているため、麻酔によるものなのか、技術によるものなのかを判別するのは難しいかもしれません。

病変を見つける技術については、大腸カメラでの腺腫発見率を参考にすると良いでしょう。患者様が若年層中心の医療機関では発見率は低く、一方で中高年中心のところでは高くなりやすいと言われています。また、病変があることが事前に分かっている状態で検査をすること(例:紹介をうけて、治療だけを担当する場合)もありますので明確なことは言いにくいですが、大まかな目安として発見率が最低でも40%程度となっていることが望ましいと考えられます。
しかし、発見率を開示している医療機関は少ないため、なかなか患者様が判断しづらいこともあるかもしれません。
また、本来は切除しなくても良いポリープを切除していることもあるため、一概に切除実績が多いからと言って高い評価に繋がる訳ではありません。

病変発見率をサポートする位置づけで、最近ではAIによる内視鏡補助システムがいくつかのメーカーよりリリースされています。
現在の技術では、経験豊富な内視鏡医師と同じくらいの発見率となっておりますので、ある程度高い技術を持つ医師よりもシステムが明らかに優秀ということにはなりません。
しかし、進化したシステムが将来的に医療現場の多くで使われるようになると、医師の内視鏡診断に関するスキルがAIに代替される日が来るかもしれません。
AI内視鏡が導入されている医療機関が良いとは今はまだ言えませんが、少なくとも最新の医療に対しての感度が高いことは言えるかもしれません。

<Point⑥>健診の内視鏡検査への参加有無

A.胃カメラ健診を行っている自治体では、健診に参加している医療機関の方が望ましい

~理由~

健診自治体で胃カメラ健診を実施するところが年々増加傾向にあります。胃カメラ健診を行っている自治体では、健診に参加している医療機関の方が望ましいでしょう。

医療機関が健診業務を行うためには、内視鏡を洗浄する機器の基準や、各種研修・講習への継続的な参加などいくつもの条件を満たす必要があります。また、撮影した写真について第三者チェックとして別の医師からフィードバックを貰う必要もあります。

このような仕組みによって、内視鏡検査を受ける患者様が最適な環境で検査に望んでいただけるようになっています。また、高度な撮影技術や病変発見技術を身につけるための環境になっている証でもあります。

第三者チェックを受けている医療機関であれば、知識や技術が絶えず洗練されていく状況となり、また、検査室も常に最適な環境となるよう努めているとも言えます。

また、胃カメラ健診については、医療機関によって鎮痛剤・鎮静剤の使用可否が異なりますので、予め確認しておくと良いでしょう。さらに、状況次第で保険診療を選択できるかどうかも重要となります。

胃カメラ健診を行っていない自治体については上記に該当しません。
また、開業して間もない医療機関はそもそも自治体の健診への参加資格が無い場合もありますので、注意が必要です。

<Point⑦>口コミの良し悪しについて

A.口コミは必ずしも完璧でなくても問題ありません。

~理由~

相談するクリニックを決めるにあたって、口コミを重視される方は多いかと思います。
内視鏡の苦痛の感じ方には個人差があるため、熟練の医師が検査を担当しても苦痛を感じてマイナスな口コミを書く方も少なからずいらっしゃいます。
悪い口コミしか書かれてない医療機関はその限りではありませんが、一定数良い口コミも書かれている医療機関については、悪い口コミが少し書いてあっても大きな心配は要りません。
患者様ご本人の感覚でどうしても無視できないものだけチェックしておく程度で問題ありません。
どちらかと言うと、悪い口コミにどんな返信が付いているのかをチェックすることをお勧めします。
最近は質の悪い業者が事実無根の口コミを投稿するケースもありますので、口コミを全て鵜呑みにすることは控えましょう。
また、最近ではスコープの挿入時に麻酔を使用するケースが一般的ですので、痛みが無いというだけで挿入技術が高いという訳でないためご注意ください。

<Point⑧>内視鏡の生検の回数は必要十分か

A.生検は多ければ良いというものではない

~理由~

胃がんを内視鏡で発見できる確率は、およそ3%と考えられています。胃がんを見つけるためには、胃カメラで疑わしい病変が見つかった際にその病変組織を採取する生検を行い、顕微鏡でがん細胞かどうかを確認します。

したがって、胃カメラで病変を発見できる技術が非常に優れている場合では、生検のしたもののうちのほとんどが癌という事になります。しかし、現実はそうではなく、生検を最終確認で行う場合や、食道・十二指腸などの疾患、胃がん以外の良性疾患を確認するために行う場合もありますので、生検の確率は必ずしも3%とはならず、数倍程度が現実的な数字と言えます。実際の生検の確率を開示している医療機関はありませんが、生検を何度も行うところでは病変を見つける技術が劣っている場合があります。
したがって、検査の際に毎回生検を行うという医療機関は注意が必要と言えるでしょう。

<Point⑨>大腸カメラを午前中に実施可能か

A.午前中に実施可能な医療機関が望ましい

~理由~

大腸カメラの前処置にはある程度時間が必要であり、また、検査そのものも胃カメラよりも若干長い時間が必要となる(大腸ポリープを切除する場合はより長時間となる)ため、昼休憩の時間で検査を実施する医療機関が多い傾向にあります。

そういった状況でも午前中の検査を行っている医療機関は、大腸カメラ検査を短時間で円滑に行える環境にあると考えられます。また、大腸カメラ検査の対応可能数が多いということは、それだけ予約が入る件数も多い医療機関だとも言えます。

外来と同時並行で内視鏡検査を行っている医療機関は、内視鏡全般に注力している傾向にあるので、検査時間がどれくらいかかるのか事前に確認してみることをお勧めします。
ひとりひとりの内視鏡検査に時間をどれだけかけられるかが、診断治療の上で重要になります。そのため内視鏡に専念できる環境で医師が検査を行っている場合は十分に検査時間を確保できていると判断できます。
しかし多くのクリニックが医師一人で検査と外来を実施しているのが現実です。可能であれば複数の医師が常に在籍している医療機関の方を探されるといいでしょう。

<Point⑩>検査後に最適な治療を行ってもらえるか

A.検査後の治療も含めて包括的に対応可能な医療機関が望ましい

~理由~

検査後の治療はどの医療機関でも一律に行っているとお考えの方も多いかと思いますが、対応内容は医療機関によって異なります。
胃カメラや大腸カメラで発見される病気は胃がんや大腸がんのみならず、過敏性腸症候群や機能性胃腸症のような内視鏡では特段の異常が見つからない病気や長期間の治療が必要な良性疾患も含まれます。

検査だけに特化して対応している医療機関と検査後の治療まで包括的に対応することを前提に検査を行う医療機関では、検査後の治療の内容が異なります。
治療を前提に検査を行う医療機関では、がんの発見だけに特化せず別軸の目線でも検査を行っています。
上記については、各医療機関の方針に関係する部分が大きく、専門医の在籍有無や内視鏡技術の優劣に依存するものではありません。

「悪性疾患が見つかれば治療は他の医療機関にお願いするので、とりあえず精度の高い検査をまず行って欲しい」という患者様は、検査技術に優れた医療機関をお勧めします。
一方で、検査だけでなく病気が見つかった際の治療も含めて相談したいという患者様は、外来診察や治療にも注力している医療機関をお勧めします。
また、内視鏡検査で異常が見つからなかった際に別の提案を貰えるかどうかについては、医療機関や医師の専門性に依存するため、内視鏡以外で得意とする領域がどこなのか事前に確認しておくと良いでしょう。

医師の意見として、病状の適切な把握のためにも検査と治療それぞれを行う医療機関はなるべく同じところの方が良いと考えられますので、どのような形で相談するかあらかじめ決めておくことをお勧めします。

<Point⑪>複数の医師が在籍していると良いか

A.複数の常勤医師が在籍している方が診療の時間に余裕がある。

~理由~

内視鏡を実施しているクリニックの場合、院長となる医師が一人で検査と外来を行っていることが多いです。
ひとりで行う際は、内視鏡検査と外来の時間帯を分けるか並行して行うかのどちらかになります。
内視鏡検査と外来の時間帯を分ける場合は、受け入れられる患者さんの枠が限られてしまいます。
一方、内視鏡検査と外来を並行して行う場合は、患者様一人ひとりに対して、胃カメラ・大腸カメラ検査の時間が少なくなってしまう傾向があります。
特に、大腸カメラは検査を医師の技量によって検査時間が左右しますが、時間をかけられた方が高い精度の検査が可能です。

検査に時間をかけるためには、内視鏡検査と外来の担当医師が別の方が、どちらにも時間をかけて丁寧に行うことが可能です。
常勤医師が1名のクリニックの場合は、外来の時間を削減するなどして、内視鏡検査に十分に時間を割いて、高い精度の胃カメラ・大腸カメラ検査を患者様に提供できるように工夫されています。

また、複数の医師が在籍していると、医師の間で情報交換や知識の共有や多角的な視点で診療することに役立ちますが、複数の医師が常勤している内視鏡クリニックは少ないことが現状です。比較項目の一つとして、必須の条件ではないと考えられます。

<Point⑫>医師以外のスタッフの影響はあるのか

A.医師以外のスタッフの評価が高い医療機関が望ましい。

~理由~

内視鏡の検査では、医師以外に看護師・臨床検査技師・医療事務の方などのスタッフが関わっています。

内視鏡の検査を医師の技量で左右されますが、医師が良いパフォーマンスを発揮するためには、事前の検査準備や検査の補助など連携して動き、十分な検査時間の確保が大切です。
内視鏡に関わるスタッフの経験値でも検査に大きく影響します。

経鼻内視鏡の際には事前の説明や、局所麻酔、検査中のバイタルチェック・お声がけなど医師以外のスタッフが行う領域も多くあります。

そのため、検査に関わるスタッフの経験値が高いクリニックを選ぶことも重要です。
ホームページでの確認のみではわかりづらいため、口コミを参考することや複数の医院を展開しているクリニックを選ぶことなどを判断材料にいれると良いです。

以上のポイントを参考に胃カメラ・大腸カメラを受ける医療機関を判断してみてください。
内視鏡検査は検査のみではなく、検査後の治療のことまで考えて選ぶことをお勧めします。医療機関を選ぶ参考になると嬉しいです。

~さいたま胃腸内視鏡と
肝臓のクリニック
和光市駅前院では~

①鎮静剤使用のあり・なしを選択できるか

当院で内視鏡検査を受ける際には、鎮痛剤や鎮静剤の使用有無を選ぶことができます。当院の本院の患者様における鎮静剤使用に関するデータは以下の通りです。

<胃カメラ検査>

鎮静剤あり:20%
鎮静剤なし:80%

<大腸カメラ検査>

鎮静剤あり:50%
鎮静剤なし:50%

鎮静剤を使用せずに検査に臨む方が比較的多い傾向にありますが、内視鏡検査に恐怖心があり、苦痛を一切感じずに検査を受けたい場合は、鎮痛剤や鎮静剤を使用することも選択可能ですので、受診の際にお気軽にご相談ください。
麻酔自体に抵抗がある、授乳中のため麻酔を使いたくない、麻酔をすると気分が悪くなる方もぜひ一度ご相談ください。
患者様の状況に応じて最適な鎮静剤の量に調整しています。

②専門医資格を持った医師が在籍しているか

当院で行う内視鏡検査は全て、「日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医」を有する熟練の医師が行います。
また、サブスペシャリティー資格である消化器病専門医・肝臓専門医も持っておりますので、消化器全体の診療を包括的に対応することができます。検査と検査後の診療も含めてワンストップでサポートさせていただきます。

③最新設備を導入しているか

内視鏡システム当院では、オリンパス社製の最新式内視鏡システム(EVIS X1)を導入しております。また胃カメラ・大腸カメラスコープもクリニックでは珍しいグレードの最新式(GIF-1200N、CF-ZX1200)を取り揃え、特殊光や拡大観察によって病変を見逃さないようになっております。今後も医療機器の進歩に絶えずキャッチアップし、必要に応じて最新の機器の導入を行います。
また、二酸化炭素送気装置、高水準内視鏡洗浄機、電気メスも完備しており、患者様の苦痛が少なく、尚且つ、精度が高い検査を実現できるように万全の検査体制を構築しております。

④大腸内視鏡の前処置で使う下剤は、院内・院外どちらかの服用を選択できるか

当院では、下剤の内服を院内・院外いずれでも行っていただけます。過去に大腸カメラ検査の経験があり、下剤を飲むことに抵抗感をお持ちの方は、院内で飲んでいただくことをお勧めします。遠方からお越しいただく方、高齢者の方、重い症状をお持ちの方が院内で内服できるようにもしております。
当院ではトイレ付きの個室も複数用意しておりますので、安心して前処置を行うことができます。
また、当院では、下剤の内服が難しい方でも内服なしで検査が行えるようご案内することも可能です。

⑤内視鏡検査の実績は豊富にあるか

当院の本院では毎年3,000件以上の内視鏡検査に対応しております。患者様が安心・安全に検査を受けていただけるよう、これまでの経験とノウハウを最大限生かして検査をさせていただきます。
また、当院の医師は、開業以前から総合病院にて15,000件以上の内視鏡検査・内視鏡手術を行っている熟練の医師ですので、ご安心ください。

⑥健診の内視鏡検査への参加有無

当院は和光市・朝霞市・志木市・新座市の胃カメラ健診に参加している医療機関です。
毎年の健診スケジュールは、和光市では7月1日〜翌年1月31日までです(市によって期間が異なります)。
また、当院では鎮痛剤を使った検査にも対応しており、保険診療へ切り替えるご相談も承っております。

⑦口コミがいいかどうか

口コミ関しては下記の本院口コミサイトをご参照ください。

⑧内視鏡の生検の回数は必要十分か

当院の方針として、国や患者様の負担が増える生検は行わず、必要十分な回数とするようにしております。
必要性が認められる場合にのみ生検を実施しております。

⑨大腸カメラを午前中に実施可能か

当院では、午前10時より大腸カメラ検査の予約枠を設けております。
また、患者様のご都合に合わせて、午前〜夕方まで検査を行うことができます。

⑩検査後に最適な治療を行ってもらえるか

当院では、検査での現状把握からの治療を念頭に置いて検査を実施します。したがって、まずは診察を行い、状況に応じて治療を最優先に行う場合もあります。
検査だけに特化しないよう、患者様の診察と現在の症状に向き合うことを第一とする方針でおりますので、当院の患者様は検査だけしか受けない方は少ない傾向にあります。

⑪複数の医師が在籍しているのか

医師本院である「東長崎駅前内科クリニック」にて医療を提供できる患者さんに制限が出てきてしまっている現状があり、2023年5月に「さいたま胃腸内視鏡と肝臓・糖尿病のクリニック 和光市駅前院」を分院として開院しました。
当院では複数の専門医が常勤し、内視鏡検査と外来を分ける体制で診療を行えるため、より多くの患者様に医療を提供できるようになりました。

東長崎駅前内科クリニックとの間で医療情報の交換も行えるため、医学知識の維持・向上も目指していきます。

⑫医師以外スタッフが高い医療レベルであるか

受付当院では看護師・臨床検査技師・医療事務と共に、常に適切な内視鏡検査を提供できるように試行錯誤していきます。
「東長崎駅前内科クリニック」では上記を常に行っていることで、医師以外の医療スタッフに対する高い口コミ評価も多くいただいております。
分院である当院でも研鑽を積んだスタッフが対応を行うため、開院時点から経験値が高く熟練されたスタッフによって内視鏡検査を実施いたします。

 

著者

著者

理事長さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック
和光市駅前院

理事長 吉良文孝

資格および所属

日本内科学会認定 認定内科医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本消化管学会認定 胃腸科指導医
日本糖尿病学会

経歴

平成15年東京慈恵会医科大学 卒業
平成15年東京警察病院
平成23年JCHO東京新宿メディカルセンター
平成29年株式会社サイキンソーCMEO
平成30年東長崎駅前内科クリニック開院
 
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