FIB-4 indexについて

FIB-4 indexとは

FIB-4indexは、AST、ALT、血小板数、年齢の4つの血液検査値に基づいて計算される肝線維化の非侵襲的な指標です。
簡便に計算ができるため、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)や慢性肝炎などの慢性肝疾患の患者における肝線維化の重症度を評価するために使用されます。
近年では人間ドックの際に計算されることもあります。
以下の式で計算することができます。


FIB-4 = (年齢×AST(IU/L))/(血小板数(109/L)×√ALT(IU/L))

FIB-4indexの開発経緯

FIB-4indexは、1999年に韓国の研究者によって開発されました。
AST、ALT、血小板数、年齢の4つの血液検査値を組み合わせて、肝線維化の重症度を評価する簡便で安価な方法を開発するために、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)と慢性肝炎の患者2,000人以上を対象とした研究で評価されました。
研究の結果、FIB-4indexは肝線維化の重症度と相関し、従来の肝線維化マーカーであるアルブミン/球蛋白比(A/G比)よりも優れた予測能を示されました。

FIB-4indexは、その後、さまざまな慢性肝疾患の患者を対象とした多くの研究で評価されてきました。これらの研究の結果は、FIB-4indexが肝線維化の重症度を評価するための有効な方法であるとされています。

FIB-4indexの臨床的意義

FIB-4indexは、慢性肝疾患の患者における肝線維化の重症度を評価するための有用なツールです。非侵襲的で安価であり、従来の肝線維化マーカーよりも優れた予測能を示す場合があり、重要な位置付けになっています。

有効とされるFIB-4INDEXですが、いくつかの注意点があります。

  • 肝生検のような侵襲的な検査や採血・フィブロスキャン検査と同じ精度ではないため、注意が必要。
  • 肝線維化の重症度を評価するためのツールであり、診断ツールではありません。したがってこの数値によって病気を診断することはありません。
  • 慢性肝疾患の患者を対象とした研究で評価されています。一般の健康な方向けの数値ではないため、注意が必要です。
  • 慢性肝疾患の患者の肝線維化の重症度を評価するための有用なツールですが、他の検査と組み合わせて使用​​して、全体的な臨床像を評価することが重要。
  • 同一の人間であれば、年齢が上がると数値が悪化する計算のため、本来の臨床とかけ離れる可能性があります。

参考論文:https://bmcgastroenterol.biomedcentral.com/articles/10.1186/1471-230X-12-2

以上の事を踏まえて正しく数値を活用ください。

計算はこちらから

 

FIB-4indexの評価

FIB-4indexは1.3以下が正常とされます。

肝硬変

1.3以上の場合に肝臓の繊維化が存在する可能性があります。 

特に2.67以上の場合は、肝硬変に近い状態になっていることがありますので医療機関での精査が必要と考えられます。

慢性肝疾患がある場合おいては、この数値はある程度信頼のおけるものとなります。

まとめ 

FIB-4indexは非常に簡便で有効な数値ですが、注意事項をしっかりと理解をしていないと意味のない数値です。
全く肝臓の病気の無い方、慢性肝疾患の無い方向けの検査ではない事を十分に注意しましょう。

近年人間ドックで測定されることも散見されましたが、もし数値に異常があった際は落ち着いて、医療機関に受診をして下さい。
肝臓に以上がないケースも多々ありますので、慌てず当院の様な肝臓内科に受診をして下さい。
fib-4indexのみではなく、腹部エコー検査やフィブロスキャン検査なども使用して総合的に判断します。

 

 

著者

理事長さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック
和光市駅前院

理事長 吉良文孝

資格

日本内科学会認定 認定内科医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本消化管学会認定 胃腸科指導医
日本糖尿病学会

経歴

平成15年東京慈恵会医科大学 卒業
平成15年東京警察病院
平成23年JCHO東京新宿メディカルセンター
平成29年株式会社サイキンソーCMEO
平成30年東長崎駅前内科クリニック開院
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