その名の通り食道粘膜の下に生じる腫瘍で、表面は粘膜で覆われているので内視鏡検査の際には粘膜が隆起したように映ります。
食道粘膜下腫瘍は良性であることが大半です。全体の約7割が良性の平滑筋種であり、その他の種類としては、神経原性腫瘍、食道嚢胞、血管腫、脂肪腫、GIST(ジスト)、顆粒細胞腫などが挙げられます。
自覚症状はほとんど現れません。 腫瘍が巨大化するに伴い、出血による下血、貧血などの症状が現れることがあります。
内視鏡(胃カメラ)や胃レントゲン検査にて発見されるケースが大半です。 粘膜の下に生じる腫瘍ですので、腫瘍のタイプを見極めるためには、CT・MRIでの画像検査の後、超音波内視鏡(EUS)を使った穿刺吸引術(EUS-FNA)にて組織の種類を特定することが重要となります。
胃カメラ検査について
腫瘍の大きさ、形状などによって適切な治療法は異なり、切除、抗がん剤治療、経過観察などを状況に応じて適切な方法で実施します。
参考文献 1) Portable, G. et al.:int. J. Surg. Pathol., 15:393-396, 2007. 2) Seremetis, M. G. et al.:Cancer, 38:2166-2177, 1976. 3) Tran, T. et al.:Am. J. Gastroenterol., 100:162-168, 2005. 4) 吉永繁高ら:消化管粘膜下腫瘍の診断治療戦略:医学のあゆみ vol.245 No.11:925-931, 2013.
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