目次
逆流性食道炎は胃カメラ検査が必要です。
以下のような症状は
逆流性食道炎の疑いがあります
- 胃もたれ
- 胸やけ
- 腹部膨満感
- 口内に酸っぱいものがこみ上げ、げっぷが出る
- のどが詰まった感じがする
- 耳鳴り
- 咳
- 声枯れ
- のどの奥で異物感がある
- 嘔吐、吐血が稀に起こる
上記の症状がよく起こる場合は逆流性食道炎の疑いがあります。また、上記の症状は胃がんや食道がんでも見られるものですので、軽く考えることは避け、なるべく早めに当院までご相談ください。
さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院では胃カメラ検査の当日実施も可能です。
逆流性食道炎とは
通常であれば逆流しない胃酸などの胃の内容物が逆流し、胃酸によるダメージで炎症、潰瘍、びらんが起こる病気です。
適切な診断のために胃カメラ検査が不可欠です。
胃カメラでは疑わしい病変が見つかりますが、特段の症状が起こらないケースもあります。
1990年代後半から発症数は増加の一途を辿っており、最近では国民の約1割が発症していると考えられています。
胃食道逆流症
(GERD:Gastro Esophageal Reflux Disease)
食道に胃酸などの内容物が逆流し、不快感、胸やけ、のどの違和感などの症状が起こるようになります。
胃カメラ検査によって診断を下しますが、特段の異常が見つからないこともあります。
逆流性食道炎と胃食道逆流症
逆流性食道炎は、胃カメラ検査で疑わしい病変が見つかっても症状が現れないことがあります。
一方、胃食道逆流症は胃カメラ検査でも特段の異常が見つからないことがあります。
したがって、以下の3パターンが考えられますが、患者様以下のいずれも逆流性食道炎と考えているため、患者様と医師の間で認識の相違が起こることもあります。
- 症状なし且つ胃カメラ検査で逆流性食道炎が判明した
- 症状あり且つ胃カメラ検査で逆流性食道炎は見つからなかった
- 症状あり且つ胃カメラ検査で逆流性食道炎が判明した
なお、医学的には、以下のようになります。
- :症状無しの食道炎
- :びらん性胃食道逆流症(Erosive GERD:Erosive Gastro Esophageal Reflux Disease)、別名GERD(ガード)
- :非びらん性胃食道逆流症(Non Erosive GERD:Non Erosive Gastro Esophageal Reflux Disease)別名:NERD(ナード)
また、火傷で例えると以下のようになります。
- :火傷で皮膚は赤くなっているが痛みは感じない
- :火傷で皮膚が赤くなり痛みを感じる
- :皮膚に異常はなく熱感だけがある
①〜③を包括的に対応する医療機関もありますが、当院では①〜③それぞれのパターンに応じて最適な治療、お薬の処方を行っております。
①〜③いずれであってもなるべく早めに当院までご相談ください。
逆流性食道炎と胃食道逆流症の原因
原因は以下の3つに大別され、3つの原因が絡み合うことで症状が現れます。
- 胃酸が強い状態
- 胃酸が逆流しやすい状態
- 胃酸に対する違和感が強い状態
①胃酸が強い状態
どなたでも胃酸が少し逆流することは起こり得ますが、胃酸が強い体質の方は逆流時に食道粘膜にかかる損害が増す傾向にあります。
胃酸が強くなる要因は以下の通りです。
- 寝不足や疲労などのストレス
- コーヒーなどのカフェイン飲料
- たんぱく質が過剰な食事
- 胃ポリープやピロリ菌感染などの疾患
- 飲酒
②胃酸が逆流しやすい状態
食道と胃の繋ぎ目部分には下部食道括約筋という筋肉があり、食事の前後と弛緩・収縮を繰り返すことで胃の内容物の逆流を防止しています。その下部食道括約筋の機能が以下のような要因で低下することで、逆流性食道炎の発症に繋がります。
- 食道裂肛ヘルニア
- 飲酒
- 脂肪分が過剰な食事
- 過度なダイエット
- 炭酸飲料
- チョコレート
- 一部のお薬
- 喫煙
また、胃が大きく圧迫されること、食道括約筋の力よりも逆流する力が大きくなること、胃から内容物がなかなか送り出されないことなどによっても逆流が起こる恐れがあります。
例えば以下の要因が考えられます。
- 肥満
- 食後にすぐ横たわる
- 猫背など不適切な姿勢
- コルセットを誤った方法で装着する
- 抱っこひもの使用
- 便秘
③胃酸に対する違和感が強い状態
食道の感度が上がることで刺激に敏感に反応するようになります。
飲酒、ストレス、鉄欠乏性貧血などが原因として考えられます。
① ②➂の要因が複合的に合わさって症状が現れます。
逆流性食道炎と胃食道逆流症の症状
胃酸が込みあがってくることで引き起こされる症状が中心です。
呑酸や胸やけなどの症状がほとんどですが、のどの違和感、のどのひりひり感、咳、呼吸のしづらさ、胸痛、胸のつまり感などの食道以外の症状が起こるケースもあり、虫歯を引き起こす原因ともなり得ます。
のどの異物感や飲み込みにくさの症状で耳鼻咽喉科に相談されるかたもいらっしゃいますが、のどの症状が顕著な場合は咽喉頭酸逆流症(LPRD:Laryngopharyngeal reflux disease)の疑いがあります。
逆流性食道炎と胃食道逆流症の検査
問診である程度の予想が可能であり、専用の問診票(QUEST、Fスケール、GERD-Qなど)を使うこともあります。食道に炎症が起こっていないか確認するためには胃カメラ検査が効果的です。胃バリウム検査だけでは正確な情報が得られないこともあるため、胃カメラ検査を受けるようにしてください。
内視鏡検査で異常が見つからない非びらん性胃食道逆流症(Non Erosive GERD:Non Erosive Gastro Esophageal Reflux Disease)では、診断の難易度が高いと言われています。
そのため、耳鼻科の検査、心臓の検査、心療内科の検査を追加で行う場合もあります。
逆流性食道炎と胃食道逆流症の治療
原因を解消するために薬物療法と生活習慣指導を中心に行っていきます。
①薬物療法
胃酸抑制のためのPPI(プロトンポンプ阻害薬)、H2阻害薬(ヒスタミン受容体阻害薬)、PCAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)などを服用していただきます。
PPIやPCABを使うことが多いですが、長期間の使用には適していないため、なかなか完治しない場合を除き、原則は短期間の使用が望ましいと言えます。
その他、粘膜保護剤など様々なお薬を使用するケースも存在します。
食道が敏感になっている場合は、精神薬や漢方薬を使うこともあり、特にストレスを抱えがちな現代社会において使用例が増加しています。
また、ピロリ菌感染や便秘など、原因に応じて適切なお薬を選択します。
逆流性食道炎の治療は、胃酸を抑制するだけでは不十分なケースも多く、当院では複数のお薬を適切に選択することで効果的な治療を実現していますので、別の病院で治療しても治らなかったという方でもぜひ一度ご相談ください。
②生活習慣指導
生活習慣の見直しも非常に重要です。
以下を地道に実践していくことで、症状が改善していく可能性が高まります。
- ストレス解消
- 肥満解消
- カフェインを控える
- 正しい姿勢を意識する
- 食後はすぐに横たわらない
- 禁酒・禁煙
- 特に高たんぱく・高脂肪な食事をしている場合は、よく噛んでゆっくり食べる
- 適度な運動で胃腸が働きやすくする
逆流性食道炎の方は当院へ
胃カメラ検査によって詳しく状態を確認し、患者様の状況に応じて適切な治療を行います。
当院では、内視鏡専門医が患者様の負担が少なくなるような検査、えずかない検査を実践しております。また、WEB予約システムより24時間365日の予約受付が可能であり、当日予約、夕方や土曜午前の検査を承っております。
お仕事などでご多忙な方もぜひ一度ご検討ください。
逆流性食道炎の症状をなるべく早く解消し、患者様が健やかな生活を送っていただけるよう、誠心誠意努めて参ります。
著者
資格
日本内科学会認定 認定内科医日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本消化管学会認定 胃腸科指導医
日本糖尿病学会
経歴
平成15年 | 東京慈恵会医科大学 卒業 |
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平成15年 | 東京警察病院 |
平成23年 | JCHO東京新宿メディカルセンター |
平成29年 | 株式会社サイキンソーCMEO |
平成30年 | 東長崎駅前内科クリニック開院 |