食道アカラシア
~食べ物が通らない時は当院へ~ 

食道アカラシアとは

つかえ感食道アカラシアとは、食道の筋肉が弛緩しなくなることで、繰り返す嘔吐、逆流症状、体重減少、食事の際のつかえ感といった症状が現れる疾患です。

食道アカラシアの原因

食道と胃のつなぎ目部分には下部食道括約筋(LES)という筋肉があり、食事をする時・していない時で、弛緩・収縮を繰り返すことで胃内に食物を運び、食道に胃酸などの胃の内容物が逆流することを防いでいます。下部食道括約筋は食道壁の神経でコントロールされていますが、神経の異常によって筋肉が弛緩しなくなることで食道アカラシアが引き起こされます。神経異常については、免疫異常、ウイルス感染、消化管ホルモン、遺伝などの要因が影響していると推測されていますが、はっきりとした原因は不明です。

食道アカラシアの症状

繰り返す嘔吐、逆流症状、体重減少、食事の際のつかえ感、胸痛などの症状が現れ、症状がひどくなると胃の中に食べ物が入っていかず吐き出してしまうこともあります。

食道アカラシアの検査

胃カメラ内視鏡検査(胃カメラ)、食道内圧検査、食道レントゲン検査(食道造影検査)などによって状態を確認します。

胃カメラ検査について

 

食道アカラシアの治療

薬物療法だけでなく、腹腔鏡手術、バルーン拡張術、ボツリヌス菌毒素局注療法なども検討する場合があります。ボツリヌス菌毒素局注療法については、ボツリヌス菌を筋肉注射することで筋肉が収縮しないようにする効果があり、食べ物の通過障害が改善されることが期待できます。また、バルーン拡張術については、その名の通り風船のような器具を使って筋肉を拡張させる治療法です。最近では、経口内視鏡的筋層切開術(POEM)によって食道内部の筋肉を切開する治療法も普及しており、多種多様な治療法を選ぶことが可能となっております。

参考文献
1) 岩切勝彦ら:アカラシアの病態と診断. 臨牀消化器内科 23:52-57, 2008
2) 岩切勝彦ら:食道アカラシアの診断と治療. Modern Physician 33:868-871, 2013

著者

理事長さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック
和光市駅前院

理事長 吉良文孝

資格

日本内科学会認定 認定内科医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本消化管学会認定 胃腸科指導医
日本糖尿病学会

経歴

平成15年東京慈恵会医科大学 卒業
平成15年東京警察病院
平成23年JCHO東京新宿メディカルセンター
平成29年株式会社サイキンソーCMEO
平成30年東長崎駅前内科クリニック開院
 
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