若い方の持続する下痢、血便は炎症性腸疾患(IBD)かもしれません。
さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 院長の小幡です。
今回は若年者に多く、日本で難病指定されている潰瘍性大腸炎とクローン病のお話です。
これら2つはまとめて「炎症性腸疾患(IBD)」と呼ばれています。
炎症性腸疾患(IBD)って?
私たちの体にはウイルスなどの異物を排除するための免疫機構が備わっていますが、IBDではこの免疫機構がなんらかの原因で暴走し腸管に過剰な炎症が起きる病気です。
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に潰瘍やびらんといった炎症が起き、下痢や血便、腹痛を起こします。多く症例では直腸から炎症が生じ、徐々に口側に広がっていきます。
一方、クローン病は口腔から肛門まで全消化管の粘膜に炎症が起きる病気で、潰瘍性大腸炎と同様の症状となりますが、進行すると腸の狭窄や瘻孔(腸から他の臓器や組織にトンネルをつくる)を起こすことがあり手術が必要になることもあります。
厚生労働省の報告では、2020年の時点で潰瘍性大腸炎は約22万人、クローン病は約7万人と推定されており、近年ともに増加傾向にあり決して稀な病気ではなくなりました。
発症年齢はともに若年層(20代)に多いという特徴がありますが、潰瘍性大腸炎では小児や高齢者にも幅広くみられます。
炎症性腸疾患ならさいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院へ
当院では内視鏡検査によるIBDの診断と、メサラジンを中心とした投薬治療を行っています。
近年IBD診療は進歩しており、副作用の少ないお薬も出てきて治療の選択肢も増えてきました。
しかしながら治療に難渋する方に対しては、地域の病院と連携していくことも重要と考えています。
普段から下痢が多い、便に粘液が混じる、便が赤っぽいなどの症状がある方は、一度当院を受診してください。
まずはしっかりと問診、診察をさせていただき、必要に応じて胃・大腸内視鏡検査での精査を行っていきます。