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脂質異常症~コレステロールの話~

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~コレステロールの話~

「さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院」院長の小幡です。
本日は昨年5年ぶりに改定された「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」についてお話ししたいと思います。


ガイドライン内では、LDLが高い患者(140mg/dL以上)では1日の摂取コレステロール量を200mg未満にすることで動脈硬化性疾患(脳梗塞や心筋梗塞など)を予防できる可能性があると述べています。
コレステロールはレバーや魚卵類に多く含まれていますが、これらを毎日摂取する方は少ないと思います。
逆に私たちが毎日摂取する食材でコレステロールを多く含むのは「鶏卵」です。
ちょうどMサイズの鶏卵1個がコレステロールを200mg含有します。
では毎日卵を複数個食べると必ずコレステロールは上昇するのでしょうか。


海外のある研究では毎日1個以上の鶏卵を12週間食べるとLDLコレステロールは平均7mg/dL上昇するといわれています。
しかしながらこれは日本人においては必ずしも適応されないようで、毎日20~30個の卵を食べてもコレステロールの値に変化がなかったという報告もあり食文化の違い(油の量や種類、調理法など)が影響しているのかもしれません。
また、食事から摂取するよりも体内で合成されるコレステロールのほうが多く(1000~1500mg/日)、仮に食事で摂りすぎた場合でも体内でコレステロール合成量を抑制したり吸収率を調整する機能が働いているといわれています。


ただし家系的にコレステロールが高い方や、動脈硬化性疾患の既往のある方、ご親族にそのような方が多い方は1日のコレステロール摂取量を守る必要はあると思います。
毎日「鶏卵」を食べる際は個数よりも油を少なめにしたりゆで卵にするなど、調理法を意識されることをおすすめします!

 

脂質異常症は食習慣改善のみでうまくいかないケースが日本人では多いような印象ですので、一度外来で薬物治療なども含め診察をお受けいただければと思います。
食事でなかなかLDLコレステロールが下がらない、ご親族に動脈硬化(脳梗塞、心筋梗塞など)の病気の方が多い方は積極的な治療をご検討下さい。

脂肪肝も併発している方も多くいらっしゃいます。そのような方は特に要注意です!
肝臓内科も実施しております当院に一度ご相談にいらしてください。

 

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著者

さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック
和光市駅前院

院長 小幡 和彦

資格

日本内科学会認定 総合内科専門医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本ヘリコバクター学会認定 ヘリコバクターピロリ感染症認定医
埼玉県難病指定医

経歴

平成20年日本大学医学部 卒業
平成20年東京医科歯科大学病院
平成22年東京慈恵会医科大学付属病院
令和元年吉祥寺南病院 消化器内科医長
令和2年

医療法人社団おなか会 おなかクリニック
内視鏡センター長

令和5年

さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 院長

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