おなかが痛い(腹痛)
~腹痛には種類があります~ 

目次

【結論】おなかが痛いときに知っておくべき5つのこと

  • 痛む場所で原因が推測できる:腹部は9つのエリアに分けられ、それぞれ近くの臓器の異常を反映することが多い
  • 痛み方にも意味がある:チクチク・キリキリ・ギュッとなるなど、痛みの性質によって疑われる病気が異なる
  • 緊急受診が必要な腹痛がある:激痛・冷や汗・血便・発熱を伴う場合は速やかに医療機関へ
  • 慢性的な腹痛は検査で原因特定を:胃カメラ・大腸カメラで根本原因を見極めることが大切
  • 自己判断は危険:市販薬で様子を見ても改善しない場合は、消化器内科の専門医に相談を

この記事では、おなかの痛みの分類・部位別の原因・受診の目安・当院での検査について、消化器病専門医の視点から詳しく解説します。

※本記事は2026年2月時点の医学的知見に基づき作成しています。個別の診断・治療については必ず医療機関を受診してください。

おなかが痛い――その痛みには3つのタイプがある

腹痛で悩む人のイメージおなかが痛いといっても、その原因や痛み方は実に様々です。痛む場所と原因となる臓器が近い場合もあれば、まったく離れた場所に痛みを感じることもあります。

たとえば、みぞおち付近の痛みは胃の病気だけでなく、心筋梗塞や虫垂炎(いわゆる盲腸)の初期症状として現れることもあるのです。

腹痛の診断は医師にとっても簡単ではありません。だからこそ、自己判断で済ませず、専門医にしっかり相談することが重要です。

①内臓痛(ないぞうつう)

おなか全体や中心付近に感じる、鈍くて範囲のはっきりしない痛みです。胃や腸が引っ張られたり、収縮したり、張ったりする刺激が原因となります。

自律神経の影響を受けやすいため、痛みだけでなく吐き気・嘔吐・冷や汗・ふらつきを伴うことがよくあります。

代表例:ウイルス性胃腸炎、食中毒、軽度の腸炎など

②体性痛(たいせいつう)

痛む場所がある程度明確で、「ここが痛い」と指で指せるような痛みです。押すとさらに痛みが増し、咳や歩行の振動で響くことも特徴です。

病気を起こしている臓器の炎症や機械的な刺激が原因で、痛む場所と病気の臓器が近いことが多いです。

代表例:急性虫垂炎(右下腹部痛)、大腸憩室炎など

体性痛がある場合は、炎症が腹膜にまで及んでいる可能性があり、早めの治療が必要です。状況によっては入院治療が可能な医療機関をご紹介することもあります。

③関連痛(かんれんつう)

痛みを引き起こしている臓器と、実際に痛みを感じる場所が離れているケースです。脳が痛みの場所を誤認識することで起こります。

代表例:心筋梗塞によるみぞおちの痛み、胆石による右肩の痛みなど

このような関連痛があるため、「おなかが痛い」という訴えであっても、心臓や胆のうなど消化管以外の臓器の病気を見逃さないことが重要です。

【参考】日本消化器病学会「消化器疾患ガイドライン」https://www.jsge.or.jp/

痛み方で原因を推測できることもある

痛みの性質(チクチク、キリキリ、重苦しいなど)や、どんな時に痛むかによっても、ある程度病気を絞り込むことができます。

①食事による変化がある

「食後に痛む」「空腹時に痛む」など、食事のタイミングと痛みの関係がはっきりしている場合は、胃や十二指腸の疾患が疑われます。

  • 食後2〜3時間でキリキリ痛む → 胃潰瘍の可能性
  • 空腹時に痛み、食事で楽になる → 十二指腸潰瘍の可能性

②体の動きで痛みが変化する

深呼吸や歩行、体を動かすと痛みが増す場合は、重度の炎症性疾患(腹膜炎など)の可能性があります。

咳をしたときに響く痛みも、炎症が腹膜に及んでいるサインの一つです。

③痛みに波がある(間欠痛)か、ずっと続く(持続痛)か

  • 間欠痛(痛みに波がある):胃腸の運動に伴う痛み(過敏性腸症候群、胃腸炎など)
  • 持続痛(痛みが続く):炎症性疾患、消化器以外の病気(尿路結石、婦人科疾患など)

④眠れないほどの激しい痛み

睡眠の質を低下させるような激しい痛みや、痛みで目を覚ます場合は、緊急性の高い病気が隠れていることがあります。

一方で、何かに集中しているときは痛みを感じない場合は、ストレス性や機能性の腹痛の可能性があり、まずは経過観察を行います。

痛みはじめてからの時間経過も診断のヒント

①突然の激しい痛み

急激に発症した腹痛は、緊急対応が必要なケースとそうでないケースがあります。すべてが重大な病気とは限りませんが、状況を注意深く観察する必要があります。

②徐々に痛みが強くなっている

痛みが時間とともに強くなる、範囲が広がるという場合は、炎症が進行している可能性があります。多くの場合、検査や治療を検討すべき状況です。

③かなり前から変化がない慢性的な痛み

数週間〜数か月にわたり似たような痛みが続いている場合、緊急性は低いことが多いですが、悪性疾患(がんなど)が隠れていることもあります。

数年間同じような状況が続いている場合は、悪性疾患の可能性は低くなりますが、定期的な検査で原因を確認しておくと安心です。

④痛みが改善傾向にある

症状が徐々に良くなっている場合は経過観察で問題ないことが多いですが、再び悪化する可能性もあります。定期的に医療機関を受診することをおすすめします。

腹痛以外の症状があるかどうか

腹痛に加えて、他にどんな症状があるかによって原因疾患を絞り込むことができます。

①発熱

38℃以上の高熱を伴う場合は、炎症性疾患の可能性が高くなります。

  • 熱がいつから出始めたか
  • 徐々に上がっているか、下がっているか
  • 何日続いているか

これらの情報を総合的に判断します。ウイルス性胃腸炎であれば1日程度で熱が下がることが多いですが、大腸憩室炎などでは数日間続くこともあります。

②吐き気・嘔吐

吐き気や嘔吐がある場合は、胃・十二指腸・食道などの上部消化管に原因があることが多いです。

嘔吐が止まらず、水分も摂れない状態が続く場合は、脱水症状や電解質異常のリスクがあるため、点滴治療が可能な医療機関をご紹介することがあります。

③便の色

  • 黒い便(黒色便・タール便):胃や十二指腸からの出血の可能性
  • 赤い便(血便):大腸からの出血の可能性
  • 白っぽい便:胆汁の流れが悪い可能性

少量の血が便に付着する程度であれば、痔や軽度の腸炎のこともありますが、大量の血便や繰り返す場合は必ず検査が必要です。

【参考】厚生労働省「便潜血検査について」https://www.mhlw.go.jp/

④便の頻度や硬さ

下痢や便秘の状態も重要な情報です。

  • 1日に何回排便があるか
  • 便の硬さはどうか(水様、軟便、硬い、コロコロなど)
  • いつから続いているか

これらの情報をもとに、過敏性腸症候群や炎症性腸疾患などを鑑別します。

⑤おなか以外に痛い場所はないか

背中、肩、肩甲骨、腰、お尻など、おなか以外の痛みも確認します。

  • 背中の痛み → 膵臓・腎臓・食道の疾患
  • 肩の痛み → 心臓・胆のうの疾患
  • 腰痛 → 尿路結石・婦人科疾患

⑥その他の情報

既往歴、手術経験、服用中のお薬やサプリメント、睡眠状況、排尿状態、皮膚の異常、婦人科系の症状、整形外科的な症状など、多角的に情報を集めて総合的に判断します。

痛む場所別:考えられる病気

腹部は9つの部位に分けることができ、痛む場所によって疑われる疾患が異なります。

ただし、痛みは1か所だけとは限らず、複数の部位にまたがったり、時間とともに移動したりすることもあります。

心窩部痛(しんかぶつう)――みぞおちの痛み

みぞおち(胸とおへその間)には様々な臓器が集まっており、想定される疾患も多岐にわたります。

  • 食道炎
  • 機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • 胆石症
  • 急性胆嚢炎
  • 急性膵炎
  • 急性肝炎
  • 狭心症・心筋梗塞
  • 急性腸炎
  • 急性虫垂炎(初期)
  • 腹部大動脈瘤
  • 腸閉塞
  • アニサキス症

みぞおちの痛みは、消化器だけでなく心臓や血管の病気でも起こるため、注意が必要です。

右季肋部痛(うきろくぶつう)――右の脇腹上部

右季肋部痛は、心窩部痛と同時に起こることが多いのが特徴です。

  • 胆石症
  • 急性胆嚢炎
  • 総胆管結石
  • 急性肝炎
  • 肝膿瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 大腸憩室炎
  • 便秘
  • 過敏性腸症候群
  • 機能性胃腸症
  • 尿管結石
  • 胸膜炎
  • 帯状疱疹

脂っこい食事の後に右上腹部が痛む場合は、胆石症や胆嚢炎の可能性があります。

左季肋部痛――左の脇腹上部

左季肋部は右季肋部に比べ、想定される疾患がやや少ない傾向にあります。

  • 胃潰瘍
  • 胃炎
  • 急性膵炎
  • 慢性膵炎
  • 機能性胃腸症
  • 便秘
  • 過敏性腸症候群
  • 虚血性腸炎
  • 脾腫
  • 尿管結石
  • 胸膜炎
  • 帯状疱疹

臍部痛(さいぶつう)――おへそ周辺

胃や小腸、大腸に加え、血管の病気も考慮する必要があります。

  • 胃潰瘍・胃炎
  • 急性虫垂炎(初期)
  • 急性腸炎(主に小腸)
  • クローン病
  • 腸閉塞
  • 腹部大動脈瘤
  • 腸間膜動脈血栓症
  • 急性膵炎・慢性膵炎
  • 膵がん
  • 糖尿病ケトアシドーシス

急性虫垂炎は、最初におへそ周辺が痛み、その後右下腹部に痛みが移動するのが典型的です。

右側腹部痛――右の脇腹

大腸(上行結腸)の痛みであることが多い部位です。

  • 腎盂腎炎
  • 尿管結石
  • 急性肝炎
  • 肝膿瘍
  • 機能性胃腸症
  • 便秘
  • 過敏性腸症候群
  • 大腸憩室炎
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 腹直筋症候群
  • 帯状疱疹

左側腹部痛――左の脇腹

主に大腸(下行結腸)の痛みが多い部位です。

  • 腎盂腎炎
  • 尿管結石
  • 機能性胃腸症
  • 便秘
  • 過敏性腸症候群
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 大腸憩室炎
  • 虚血性腸炎
  • 腸閉塞
  • 腹直筋症候群
  • 帯状疱疹

下腹部痛(正中)――おへその下

  • 便秘
  • 過敏性腸症候群
  • 虫垂炎(後期)
  • 大腸炎
  • 大腸憩室炎
  • 大腸がん
  • 腸閉塞
  • 骨盤内炎症性疾患
  • 膀胱炎
  • 前立腺炎
  • 子宮内膜症
  • 子宮外妊娠

右下腹部痛――おなかの右下

右下腹部痛で最も注意すべきは急性虫垂炎(盲腸)です。

  • 便秘
  • 過敏性腸症候群
  • 急性虫垂炎
  • 大腸憩室炎
  • 急性腸炎
  • 大腸がん
  • クローン病
  • 骨盤内炎症性疾患
  • 卵巣茎捻転
  • 卵巣出血
  • 子宮外妊娠

発熱・吐き気・食欲不振を伴い、歩くと響くような痛みがある場合は、すぐに受診してください。

【参考】日本腹部救急医学会「急性腹症診療ガイドライン」https://www.jsses.org/

左下腹部痛――おなかの左下

左下腹部痛で多いのは大腸憩室炎便秘です。

  • 便秘
  • 過敏性腸症候群
  • 急性腸炎
  • 大腸憩室炎
  • 潰瘍性大腸炎
  • 虚血性腸炎
  • 大腸がん
  • S状結腸軸捻転
  • 骨盤内炎症性疾患
  • 卵巣茎捻転
  • 卵巣出血
  • 子宮外妊娠
  • 帯状疱疹

中高年で「左下腹部が痛い」「発熱がある」という場合は、大腸憩室炎の可能性を考えます。

当院の腹痛診察について

当院では、消化器内科を専門とする医師が、丁寧な問診と必要に応じた検査により、腹痛の原因を的確に診断します。

問診を重視した診察

経験豊富な消化器専門医であれば、しっかりとした問診だけで原因疾患にある程度目星をつけることができます。

当院では、医師だけでなくスタッフも適切な問診技術を持っており、短時間で効率的に状況を把握できる体制を整えています。

「触診をしないのですか?」と質問されることもありますが、問診で十分な情報が得られれば、無理に触診を行う必要はありません。

ただし、炎症が疑われる場合や、腹膜への炎症の波及が懸念される場合は、触診によってしこりの有無や腹膜刺激症状を確認します。

腹痛の検査

①血液検査

炎症の有無(CRP、白血球数)、腎機能、肝機能、膵酵素などを確認します。おなか以外の疾患の有無も判断できます。

②胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)

胃炎、食道炎、胃・十二指腸潰瘍など、上部消化管の疾患を直接観察できます。みぞおちの痛みがある場合は特に有効です。

当院では、鎮静剤を使った苦痛の少ない胃カメラ検査を提供しています。

③大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、腸炎、虚血性腸炎、憩室炎、大腸がんなどの診断に有効です。

大腸の疾患はおなかのあらゆる場所に痛みを起こすため、みぞおちの痛みでも大腸カメラを行うこともあります。

④超音波検査(エコー検査)

腎臓、肝臓、膵臓、胆のう、膀胱、前立腺などを観察できます。特に胆石の確認に優れています。

みぞおち付近の痛みでは、胃カメラと併せてエコー検査を行うことで、より正確な診断が可能になります。

心筋梗塞が疑われる場合は心エコーを、婦人科疾患が疑われる場合は専門医による経膣超音波検査をご案内します。

⑤腹部レントゲン検査

便秘、腸閉塞、腸管穿孔の有無を確認します。

レントゲンだけで確定診断することは難しいですが、診断の判断材料として有効です。

⑥小腸内視鏡検査(カプセル内視鏡)

小腸疾患全般の確認に有効ですが、小腸疾患自体が珍しいため、胃カメラ・大腸カメラ・エコー検査などで原因が分からなかった場合に検討します。

腸の狭窄がある場合はカプセル内視鏡が通過できないため、事前にCT検査を行うこともあります。

⑦尿検査

尿路結石、膀胱炎、腎盂腎炎などの泌尿器疾患の確認に有効で、検査自体も容易に実施できます。

⑧心電図

狭心症、心筋梗塞などの心疾患を確認する目的で行います。

⑨腹部CT検査

腹部CT検査では、多くの情報を得ることができ、確定診断につながることも多いです。

造影剤を使用することが一般的ですが、アレルギーや腎機能障害がある方は使用できない場合があります。

ただし、胃腸の粘膜病変については内視鏡検査の方が詳細に観察できます。

⑩腹部MRI検査

婦人科疾患、膵臓疾患、胆道疾患などの確認に有効です。

※当院ではMRI検査に対応していないため、必要に応じてMRI撮影が可能な医療機関をご紹介します。

こんな症状があったらすぐに受診を

緊急受診が必要な腹痛

以下のような症状がある場合は、速やかに救急外来を受診してください。

  • 激しい痛みで動けない、冷や汗が出る
  • 吐血(血を吐いた)、大量の血便
  • 意識がもうろうとする、呼吸困難
  • おなかが板のように硬い
  • 38.5度以上の高熱を伴う激しい腹痛
  • 繰り返す嘔吐で水分が摂れない

これらは消化管穿孔、腸閉塞、急性虫垂炎、消化管出血、腹部大動脈瘤破裂などの可能性があります。

数日以内に消化器内科を受診すべき症状

  • 1週間以上続く腹痛
  • 市販薬を使っても改善しない
  • 血便や黒い便が出た
  • 体重が減ってきた
  • 40歳以上で初めての症状
  • 家族に大腸がんや胃がんの人がいる

これらに当てはまる場合は、早めに専門医に相談しましょう。

【参考】国立がん研究センター「がん情報サービス」https://ganjoho.jp/

よくある質問

おなかが痛いとき、何科を受診すればいいですか?

基本的には消化器内科または一般内科をまず受診してください。女性で下腹部痛が主な症状の場合は婦人科、排尿時の痛みや血尿がある場合は泌尿器科も選択肢になります。原因がはっきりしない場合は、まず消化器内科で診察を受け、必要に応じて他科をご紹介します。

市販の痛み止めを飲んでも大丈夫ですか?

ロキソニンやイブプロフェンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、胃粘膜を荒らす副作用があるため、腹痛には適していません。どうしても痛み止めが必要な場合は、アセトアミノフェン(タイレノールなど)が比較的安全ですが、原因が分からないまま痛み止めで様子を見るのは危険です。まずは受診して原因を確認しましょう。

右下腹部が痛みます。盲腸(虫垂炎)でしょうか?

右下腹部痛で最も注意すべきは急性虫垂炎です。典型的には、最初におへそ周辺やみぞおちが痛み、その後右下腹部に痛みが移動します。発熱・吐き気・食欲不振を伴い、歩くと響くような痛みがある場合は、すぐに受診してください。ただし、右下腹部痛の原因は虫垂炎だけではなく、便秘、憩室炎、卵巣の病気なども考えられます。

左下腹部が痛いのですが、何が考えられますか?

左下腹部痛で多いのは便秘大腸憩室炎過敏性腸症候群です。中高年で発熱を伴う場合は大腸憩室炎の可能性があります。血便がある場合は虚血性腸炎や大腸がんの可能性もあるため、大腸カメラ検査をおすすめします。

おなかがチクチク痛むのですが、放置しても大丈夫ですか?

チクチクした痛みは、軽度の胃腸炎や過敏性腸症候群、ストレス性の腹痛でも起こります。数日で自然に治まることも多いですが、1週間以上続く場合や徐々に悪化する場合は、受診して検査を受けることをおすすめします。

おなかがキリキリ痛むのは胃潰瘍ですか?

キリキリとした痛みは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃炎のほか、腸のけいれん(過敏性腸症候群)でも起こります。食後や空腹時など、痛むタイミングによってある程度原因を推測できますが、正確な診断には胃カメラ検査が必要です。

食後におなかが痛くなるのはなぜですか?

食後の腹痛は、胃炎、胃潰瘍、胆石症、膵炎などが考えられます。特に脂っこい食事の後に痛む場合は胆石症の可能性があります。また、過敏性腸症候群でも食後に腹痛が起こることがあります。症状が続く場合は消化器内科を受診してください。

ストレスでおなかが痛くなることはありますか?

はい、あります。過敏性腸症候群(IBS)は、ストレスや不安によって腸の動きが過敏になり、腹痛・下痢・便秘を引き起こす病気です。検査で異常が見つからないことが特徴ですが、診断には内視鏡検査で他の病気を除外することが重要です。

おなかが張って痛いのですが、何が原因ですか?

おなかの張り(腹部膨満感)と痛みは、便秘、ガスの溜まり、腸閉塞、過敏性腸症候群などで起こります。げっぷやおならが出ると楽になる場合は、ガス溜まりの可能性が高いです。便秘が続いている場合は、適切な便秘治療が必要です。

胃カメラや大腸カメラは痛いですか?

当院では、鎮静剤(眠くなる薬)を使用した苦痛の少ない内視鏡検査を提供しています。ほとんどの方がウトウトした状態で検査を受けられ、「思ったより楽だった」という感想をいただいています。検査に不安がある方は、事前にご相談ください。

腹痛で救急車を呼んでもいいですか?

以下のような症状がある場合は、迷わず救急車を呼んでください。
・激しい痛みで動けない
・意識がもうろうとする
・大量の血を吐いた、または大量の血便が出た
・おなかが板のように硬い
・呼吸困難がある
一方、痛みが我慢できる程度で、歩ける状態であれば、まずは医療機関に電話で相談するか、自分で受診することをおすすめします。

女性特有の下腹部痛はどう見分けますか?

女性の下腹部痛は、生理周期と関連している場合、婦人科疾患(子宮内膜症、卵巣嚢腫、子宮筋腫など)の可能性があります。生理前後に痛む、性交時に痛む、不正出血があるなどの症状があれば、婦人科を受診してください。ただし、消化器疾患でも下腹部痛は起こるため、婦人科で異常がなければ消化器内科の受診をおすすめします。

まとめ

おなかの痛みは、軽度のものから命に関わるものまで、実に多様な原因で起こります。

痛む場所、痛み方、伴う症状、時間経過などを総合的に判断することで、ある程度原因を推測することができますが、正確な診断には専門医による診察と検査が不可欠です。

自己判断で市販薬を飲み続けるのではなく、症状が続く場合や不安がある場合は、早めに消化器内科を受診してください。

当院では、消化器病専門医・消化器内視鏡専門医による丁寧な診察と、苦痛の少ない内視鏡検査により、腹痛の原因を的確に診断し、適切な治療をご提案します。

おなかの痛みでお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

監修者情報

院長 吉良文孝

東長崎駅前内科クリニック 院長
吉良 文孝(きら ふみたか)

日本内科学会認定 認定内科医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本消化管学会認定 胃腸科指導医
日本糖尿病学会・日本肥満学会 所属

平成15年 東京慈恵会医科大学 卒業後、東京警察病院、JCHO東京新宿メディカルセンターなどで消化器内科診療に従事。平成30年 東長崎駅前内科クリニック開院。

医療広告に関する注記

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を保証するものではありません。症状や経過には個人差があり、記載内容がすべての方に当てはまるとは限りません。ご自身の症状については、必ず医療機関を受診し、医師の診断を受けてください。

参考文献・ガイドライン

著者

吉良 文孝 さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 理事長

資格

  • 日本内科学会認定 認定内科医
  • 日本消化器病学会認定 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
  • 日本肝臓学会認定 肝臓専門医
  • 日本消化管学会認定 胃腸科指導医
  • 日本糖尿病学会 会員
  • 日本肥満学会 会員
  • 日本抗加齢学会 会員

経歴

  • 平成15年:東京慈恵会医科大学 卒業
  • 平成15年:東京警察病院 勤務
  • 平成23年:JCHO東京新宿メディカルセンター 勤務
  • 平成29年:株式会社サイキンソー CMEO 就任
  • 平成30年:東長崎駅前内科クリニック 開院
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