胃カメラの費用はいくら?保険適用で検査する条件や軽減方法を解説

胃カメラ検査は、胃や食道、十二指腸の異常を早期発見するための重要な検査です。
しかし、その費用は保険適用の有無や使用される機器の種類、施術内容によって異なります。
保険が適用される場合は比較的安価に受けられますが、自由診療では高額になることもあります。
また、検査を受ける際の費用を軽減する方法として、自治体の補助や医療費控除を利用できるケースもあるため、これから胃カメラ検査を予定している人は知っておくと役立つでしょう。
この記事では、胃カメラ検査の費用、検査の内容、費用の軽減方法について紹介します。検査を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。 

胃カメラの費用

胃カメラの費用は、保険診療と自由診療のどちらを使って受けるかによって異なります。
また、検査の方法や追加検査の有無によっても費用が変動するため、事前に確認しておくことが重要です。
ここでは、胃カメラの費用について詳しく紹介します。

保険診療と自由診療の違い

胃カメラを受ける際、保険診療と自由診療では、費用負担の面で違いがあります。
それぞれ以下のような特徴があります。
保険診療は健康保険が適用されるため、患者さんは費用の一部のみを負担するシステムです。
ただし、保険を適用するためには、医師が必要と判断する場合や特定の症状がある場合に限られます。
自由診療では保険の制約を受けずに検査が受けられますが、費用は全額自己負担です。
例えば、最新の機器や特別なサービスを利用したい場合は自由診療を選べますが、その分費用が高くなるでしょう。

健康保険適用の場合の費用

健康保険が適用される場合の胃カメラ検査の費用は、保険の自己負担割合によって変わります。
通常の場合は3割負担となり、一般的な検査費用は約3,000から15,000円です。 内訳は基本的な検査費用(約3,000~4,000円)に加えて、初診料や再診料、病理検査やピロリ菌検査、場合によっては採血費用などが含まれます。
また、胃や食道に異常が見つかった場合、追加の検査や処置が必要になることもあり、その場合は費用が別途発生します。
保険の負担割合や検査内容、別途検査が発生した場合などで金額が変わるため、詳細な費用については事前に医療機関で確認しておきましょう。

自由診療の場合の費用

自由診療で胃カメラを受ける場合、費用は保険診療よりも高くなるのが一般的です。
口から内視鏡を挿入する『経口内視鏡検査』の場合であれば、費用の目安は約10,000〜12,000円です。
これに加え、検査時に鎮静剤を使用する場合は5,000〜10,000円の範囲でプラスになることが多いでしょう。
また、検査中にピロリ菌感染が疑われた場合、確定診断のための追加検査とその費用が必要となりますが、検査方法によって4,000〜13,000円程度と幅があります。
このほか胃がんなどの可能性があれば、組織の一部を採取する『生検』を行うことがあり、その際も10,000〜30,000円程度の費用が別途発生します。

経鼻内視鏡は追加料金の可能性あり

経鼻内視鏡は、口からではなく鼻から内視鏡を挿入する方法で、患者さんの苦痛が少ないとされています。
ただし、経鼻内視鏡検査を選択する際には、追加料金が発生する可能性があります。
追加料金の金額は医療機関によって異なりますが、経口内視鏡の費用(約5,000~10,000円)に約500~1,000円の範囲で加算されることがあります。 当院では経鼻と経口内視鏡とで金額の差はありません。当院の様に同額に設定している医療機関もあります。当日になって混乱しないように、検査前に確認しておくとよいでしょう。

胃カメラ検査の内容

胃カメラ検査ではさまざまな検査を行い、それぞれに費用が発生します。ここでは、胃カメラ検査の内容や、それぞれの費用について見てみましょう。

胃カメラ検査(観察)

胃カメラ検査では、内視鏡を用いて胃や十二指腸、食道の内部を観察します。
費用は医療機関や負担割合によって異なりますが、保険診療であれば約3,500~4,000円、自由診療なら10,000〜12,000円が目安です。
この検査では、主に以下のような病変を確認するために行われます。
炎症 潰瘍 ポリープ がん など 内視鏡の挿入時に患者さんの負担を軽減するため、鎮静剤の使用も可能です。検査中の不快感が軽減され、検査をスムーズに進めやすくなります。
えづいたり苦痛を感じたりなどの不安がある人は、事前に申し出てみてください。
検査時間は通常約5分ですが、異常が発見された場合は追加の検査や処置が必要となるため、通常よりも長くなる可能性があります。
検査の詳細な手順や使用される機器については、医療機関や医師の方針などによって異なるため、知りたい場合には前もって確認しておきましょう。

初再診料・採血など

胃カメラ検査を受ける際には、初診料や再診料、採血費用が発生し、医療機関ごとに異なります。
初診料は初めての受診時にかかる費用で、再診料は継続的な診察が必要な場合に必要です。
検査前の採血は、多くの場合、患者さんの健康状態を把握する目的のほか、以下のような伝染病にかかっていないかを確認するためです。
B型肝炎ウイルス C型肝炎ウイルス 梅毒 など もしもこのような病気にかかっていた場合、内視鏡を介して感染が広がる恐れがあるため、感染対策としても血液検査は重要です。
このような費用は医療機関によって異なりますが、胃カメラ検査の総費用に含まれている場合が多いため、事前に確認しておきましょう。

当院では感染症にかかっている可能性を常に想定しているため、事前の採血での感染症チェックは必須にしておりません。

生検・病理組織検査

胃カメラ検査中に異常が発見された場合、生検として組織の一部を採取し、病理組織検査を行うことがあります。
疑わしい病変ががんなどの悪性のものかどうかを詳しく調べるためです。
検査費用は3割負担で約5,000円前後であることが多いですが、医療機関によって多少増減する可能性があります。
生検の際には疑わしい病変付近の組織を切り取ることになりますが、痛みを感じることはほとんどありません。
生検の結果に基づき、今後の治療が必要であるか、経過観察でよいか、そもそも良性であるかなどの判断が行われます。

麻酔料

胃カメラ検査では、患者さんの苦痛を軽減するために鎮静剤や麻酔が使用されることがあり、内視鏡の挿入時に喉の違和感や不快感を和らげる効果が期待できます。
麻酔の費用は約1,000~2,000円が目安ですが、医療機関によって多少の違いがあるため、希望する際は確認してみてください。
麻酔の有無や使用する種類は、患者さんの体調や希望に応じて決定されるため、患者さんが希望しなければ使用しなくても問題ありません。
しかし、麻酔を使用することで検査をより快適に受けられることが多いことも事実であり、よりスムーズな検査を希望する時にはおすすめの方法です。 判断に迷った場合には医師と相談して、適切な方法で検査を進めましょう。

ピロリ菌検査

胃カメラ検査の際にピロリ菌感染が疑われる場合、追加でピロリ菌検査が行われることがあります。
追加で行われるピロリ菌検査の費用は医療機関ごとに異なることが多いため、事前の確認をおすすめします。
当院の例では、ピロリ菌の追加検査を行う場合、3割負担で3,000~6,000円の設定です。
詳細については医師や受付などでご確認ください。
ピロリ菌は胃に感染し、慢性胃炎や胃潰瘍、さらには胃がんのリスクを高める原因とされているため、検査で明らかにしておいたほうがよいでしょう。

当院では胃カメラ検査で実施する迅速ウレアーゼ法や尿素呼気試験法などを実施しております。便でのピロリ菌検査も実施しております。 

胃ポリープは検査で切除しない

胃カメラ検査中にポリープが発見されても、通常の場合はその場で切除されることはありません。
ポリープの大きさや位置、形状などによっては、その場での切除が困難であったり、出血などのリスクが高かったりするためです。
また、胃のポリープの大部分は経過観察のみで問題なく、切除が不要なケースが多いです。
一般的には、ポリープの切除が必要と判断された場合、後日、入院の上で切除手術が行われることが多くなっています。
医師は検査結果に基づいて適切な対応を提案するため、患者さんはその提案を考慮して、必要な場合には適切なフォローアップを受けるようにしてみてください。

胃カメラ検査の費用を軽くする場合

胃カメラ検査の費用は、保険適用か自由診療かで異なりますが、特定の条件下で費用を軽減する方法も存在します。
企業からの助成や自治体の助成・補助制度を利用することで、自己負担額の軽減が可能です。
ここでは、胃カメラ検査の費用を軽減できる場合や具体的な方法について紹介します。

企業からの助成

一部の企業では、所属する社員や会員に対して医療費の助成制度を提供している場合があります。
例えば、企業の健康保険組合が定期的な健康診断や、胃カメラ検査の費用を一部負担するケースです。
また、特定の健康保険組合や共済組合では、加入者に対して検査費用の助成が行われることもあります。
このような助成制度の利用によって患者さんの負担額が軽減されるため、検査の際には事前に所属団体の福利厚生担当者や保険窓口で確認しておきましょう。
助成額や条件は団体によって異なるため、具体的な適用条件を把握しておくことも大切です。

企業によって助成金額が異なるため、高額な助成が受けられる場合は胃カメラ検査以外にも大腸カメラ検査や腹部エコー検査まで実施される方がいらっしゃいます。

自治体の助成・補助制度

多くの自治体では、胃カメラ検査を含むがん検診や健康診断に対する助成や補助制度を設けています。
地域住民の健康維持や疾病の早期発見を促進するためです。
例えば、定期的な健康診断を推奨している自治体では、一定の年齢以上の住民に対して、胃カメラ検査費用の一部、または全額を補助する制度があります。
自治体によっては検査の費用が大幅に軽減できるケースもあるため、お住まいの地域の担当窓口や保健所に問い合わせるとよいでしょう。
また、このような制度を利用するためには、事前に申し込み方法が定められている場合もあるため、注意が必要です。

医療費控除

医療費控除は、年間に支払った医療費が一定額を超える場合、その超過分を所得から差し引くことで税金の負担を軽減する制度です。
胃カメラ検査の費用も控除の対象になる場合があります。
この制度では、すべての胃カメラ検査が医療費控除の対象になるわけではありません。
健康診断・人間ドックなどでの胃カメラ検査は原則として対象外です。
ただし、健康診断・人間ドックなどで重大な疾病が発見され、その治療のために胃カメラ検査が必要であると医師が判断すれば保険診療に切り替えた場合には医療費控除の対象になります。
医療費控除を受けるためには、年末の確定申告が必要です。
その際には以下のものが必要になるため、しっかりと保管しておきましょう。
医療機関の領収書・明細書・交通費の領収書 ・(入院した場合)入院中の食費の領収書・健康保険組合が発行する医療費通知・給与所得の源泉徴収票 このような書類は確定申告時に提出が求められます。

まとめ

胃カメラ検査は、胃の健康状態を詳しく調べるための重要な検査です。
その費用は保険診療か自由診療か、また追加検査の有無などによって異なります。
また、所属団体の助成や自治体の補助制度、医療費控除の利用によって、検査費用を軽減することも可能です。
スムーズに検査を受けるために、医療機関や医師とよく相談し、適切な方法を選択しましょう。
当院では、保険診療での胃カメラ検査を受けていただけます。
経口内視鏡、経鼻内視鏡の検査方法を用意しており、麻酔も局所麻酔と全身麻酔から選択可能です。 患者さんの負担を可能な限り軽減した胃カメラ検査を行っておりますので、気になる方はぜひご相談ください。

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