肝機能検査値について、皆様は正確に理解されていますか?
健診などの血液検査の結果には、AST、ALTやγ-GTPなどのアルファベットが並んでいますが、一体どのような情報を示しているのでしょうか。私たち医師が、肝機能検査値の読み取り方についてお話ししましょう。
これらの数値は、簡単に言えば「血液中に流れる“壊れた肝細胞”の量」を示します。
肝臓に何らかの障害が起こると、壊れた肝臓の組織は血液中に流れ出します。
ただし、一時的な増加や少しの増加であれば、問題ありません。肝臓には自己修復機能があるためです。
私たち医師が問題視するのは、「異常に高い数値であるか」「高い数字が継続して出ている」場合です。
つまり肝臓の自己修復能を超えてしまって肝臓にダメージが蓄積する場合です。
「ALT」と「AST」は壊れた肝臓細胞の量と相関しますが、両者の違いは肝臓の細かい場所の違いにあります。
そのため両方の数字のバランスなどで肝臓の状態の判断をしています。
また、「γ-GTP」は、肝臓でつくられる酵素そのものです。
厳密に言うと、壊れた肝組織とは限りません。
この数値が高い場合は、肝細胞が壊れている場合もあれば、通常よりも多くの酵素をつくる「なにかしら」が発生している可能性もあります。
後者の場合は、肝機能としての問題はありません。
私たち医師が望むのは、異常値が出た場合に過剰な危機感を持つのではなく、異常値が出た場合には、その原因を特定するために病院を受診することが必要です。
そして、これらの異常値があっても、ただちに肝臓に深刻な障害があるわけではありません。
一時的に異常値が上昇する場合もあり、肝臓に自己修復機能があるため、数値が戻ることがあります。
そのような場合は全く問題ありません。
ただし、数値が高いまま続く場合は、肝臓の機能低下や肝臓疾患を引き起こす可能性があるので、検査や治療が必要になります。
また、肝機能検査値は、肝臓全体の障害だけでなく、がんなどの他の臓器の病気の可能性もあります。
異常値が見つかった場合は、必要に応じ全身の検査をお願いすることもあります。
さらに、肝臓を守るためには、禁酒が必要な場合もあります。
肝臓障害を引き起こす要因の1つであるアルコールは、肝臓に負担をかけます。
また、サプリメントや健康食品も、肝臓に負担をかける可能性があるため、摂取には注意が必要です。
最後に、異常値が出た場合には、自己判断や勘違いによって、病気を放置してしまうことがないように、肝臓の専門医に受診をすることをお勧めします。
肝機能検査値の異常が見つかった場合、単に異常があるということだけでなく、その異常が肝臓全体に起きているものなのか、それとも他の臓器の問題が発生しているものなのかを判断する必要があります。
健診で肝機能障害を指摘された場合は落ち着いて受診をお願いします。
当院では肝臓専門医が在籍しております。
腹部エコー検査なども実施することで肝臓の精査を実施しております。
また肝臓と同時に胃カメラや大腸カメラなどの他の消化管も含めた精査ができます。
和光市・志木市・朝霞市や大泉学園・石神井公園など練馬区、成増・赤塚など板橋区の方にも受診をいただいております。
東武東上線、西武有楽町線、副都心線からのアクセスが良好ですので、広範囲の方に受診いただいております。
ご予約はこちらから(外来診察、腹部エコー検査、胃カメラ、大腸カメラの事前診察の予約ができます。)