大腸カメラの検査頻度について
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、大腸がんや大腸ポリープ、炎症性腸疾患などを早期発見・診断するための重要な検査です。
査頻度は、リスク要因や症状の有無によって異なりますが、以下の指針を基に考えると適切です。
1. 健康診断目的や大腸がん予防のため
一般的に、リスクがない健康な人の場合、大腸カメラ検査は40歳以上で5年に1回程度が目安とされています。
過去大腸カメラで異常がないと言われた方は4-5年に1回の検査を目安にして下さい。
ただし、年齢が50歳を超えた場合や家族に大腸がんの既往がある場合は、検査頻度を高めることが推奨されます。
特に以下のようなリスク因子を持つ方は、より頻繁な検査が必要です。
- 大腸がんやポリープの家族歴がある
- 喫煙や飲酒習慣がある
- 肥満や高脂肪食などの生活習慣リスクがある
2. 大腸ポリープの既往がある場合
過去に大腸ポリープが発見・切除された場合は、ポリープの再発リスクを考慮して、1~3年ごとに検査を行うことが一般的です。
ポリープの大きさや種類、数によっても頻度が異なるため、医師と相談して検査スケジュールを決定することが重要です。
ポリープを複数個切除している場合は年に1回の検査が無難です。
ポリープ切除がなくなってきたら徐々に間を開けていくのが良いでしょう。
3. 症状がある場合
血便や下痢、便秘、腹痛などの症状がある場合は、症状の原因を特定するために早急に大腸カメラ検査を検討する必要があります。
大腸がんなどの悪性疾患以外の良性疾患の場合は急に発症することが有るので、症状が明らかな場合は大腸カメラ検査を検討下さい。
4. 炎症性腸疾患の患者
潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患の患者は、大腸がんのリスクが高いため、1~2年ごとの検査が必要です。
これにより、がんや病変の早期発見が可能になります。
特に病気の範囲の広い方、罹患期間の長い方は毎年の検査をお勧めします。
大腸カメラ検査を定期的に行う理由
大腸がんは、早期段階では無症状であることが多く、見逃されがちです。
しかし、早期発見ができれば治療の成功率が非常に高い病気です。
また、大腸ポリープの段階で発見し、切除することで、大腸がんへの進行を予防することも可能です。
さらに、検査中に異常が発見された場合、その場で組織検査(生検)を行うことで、より詳細な診断が可能になります。
大腸の形は人それぞれです。前処置不良や腸が長いなど大腸内視鏡検査の際に大腸の全体が見にくく、頻回に見る方が無難なケースがあります。
そのような場合は通常より短いペースでの検査をお願いすることが有ります。
検査を実施した医療機関で次回の検査のタイミングを聞いてください。
まとめ
大腸カメラの検査頻度は、以下の基準を目安にしてください:
- 過去の大腸カメラ検査で異常なし、健康診断目的:40歳以上で5年に1回
- ポリープ既往歴:1~3年ごと ポリープ切除状況によって変化します
- 症状がある場合:症状が出るたびに検査検討
- 炎症性腸疾患の患者:1~2年ごと
検査の頻度やタイミングは個々の健康状態やリスク因子に依存するため、専門医のアドバイスを受けながら計画することが大切です。
当院では事前に大腸カメラの検査枠の確保や事前診察のオンライン化などの便利な仕組みで大腸カメラを受けやすい状況を整えております。
痛くない大腸カメラ検査~麻酔の有無はどちらも対応~