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食道がんとお酒のお話1(顔が赤くなる人は是非読んでください)

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著者

酒井先生さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック
和光市駅前院

副院長 酒井 康行

資格

日本内科学会認定 認定内科医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
埼玉県難病指定医

経歴

平成23年岩手医科大学 卒業
平成23年盛岡赤十字病院
平成26年日本大学医学部付属病院 救急救命科
平成28年日本大学医学部付属病院 消化器肝臓内科
令和5年さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 副院長

 

文字で読みたい方はこちらをご覧ください!!

●お酒と食道がんのお話 (お酒で顔が赤くなる人は是非読んでください)

日本で頻度が高い食道扁平上皮がんの発生する要因は、飲酒と喫煙が最多です(75~95%)。
両方の習慣がある人は、がん発生の危険性が相乗的に高まることが知られています。
アルコールを摂取した際、体内ではアセトアルデヒドという発がん性の強い物質に分解されます。
このアセトアルデヒドは人体にとって毒性が高く、無害である酢酸に分解できないと体内で様々な症状を引き起こします。
(嘔気・動悸・頭痛・顔面紅潮)→二日酔い症状。

また、お酒が強い人と弱い人の違いは、このアルコールを分解する酵素が深く関係しています。

下の表のとおり、アルコールは①によりアセトアルデヒドに、アセトアルデヒドは②により酢酸に分解されます。

 

アルコール摂取→アセトアルデヒド(毒、発がん性物質)→酢酸→二酸化炭素・水
       ↑                 ↑
①アルコール脱水酵素(ADH 1B)      ②アルデヒド脱水酵素2(ALDH 2)

 

①と②は遺伝子多型が存在し、食道扁平上皮がんに関与しています。
(①、②を詳しく説明した項目を別枠で記載したので、興味のある方は是非ご覧になってください)

 

一番の問題点は、②の働きです。食道扁平上皮がんになりやすい方は、②の中のある酵素活性が欠損しており、
アセトアルデヒドの分解能が低いため、少量の飲酒でも顔面紅潮してしまいます。(フラッシングサイン)


お酒を少し飲んで赤ら顔になってしまう方はこれに当たります。
この酵素が欠損している方は、大量飲酒した場合、通常の酵素活性を持つ方と比べて、
食道扁平上皮がんのリスクが約7倍も高くなります。


さらに喫煙までしていると、食道がんだけではなく咽頭がんや喉頭がんになるリスクも何倍にも跳ね上がります。
また、前は酒に弱く、顔が真っ赤になっていたけど、毎日飲んでいるうちにいっぱい飲めるようになり、赤くならなくなったという方はかなり危険です。
このような方は、アセトアルデヒドが体内に常時蓄積しており、食道がんを発症する危険が高いです。

 

普段からアルコールを大量に摂取する方や、少量のアルコールですぐに赤くなってしまう方は、内視鏡検査を強くお勧めします。
食道がんは早期発見・早期治療した場合は生存率がかなり上がるため、一度当院で相談いただければと思います。

●まとめ
①アルコールを分解する能力は人によって全然違う。アルコールは体内でアセトアルデヒドに分解される。
②アセトアルデヒドは人体にとって有害。発がん性が高く、体内で様々な異常をきたす。
③アルコールを少量飲んだだけで顔が赤くなる方(フラッシングサイン)、嘔気・動悸・息切れをきたす方は、食道がんのリスクが高い!

 

食道がんは早期発見・早期治療できれば生存率が格段に上がります。女性の食道がんも増えているため、是非一度、当院で内視鏡検査のご相談を!

次回は食道がんの症状、食道がんになりやすい食事、食道がんの予防、治療等に関して説明します。

 

当院は和光市・朝霞市・志木市を中心に埼玉全域の方に、生活習慣病(高脂血症、糖尿病、高血圧)、消化器内科診察(胃腸科)、肝臓内科診察(脂肪肝)、内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)を提供します。

有楽町線・東武東上線・副都心線の和光市駅南口駅徒歩1分の立地になります。
池袋などの豊島区や練馬区・板橋区からもアクセスがよい立地になりますので、広い範囲の方に当院の医療を提供いたします。

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