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胃がんは何でできるのか?

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こんにちは、さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 副院長の酒井です。

本日も胃がんに関して説明していきたいと思います。
胃癌の病態のメカニズムは、①遺伝的要因、②環境要因、③その他の要因に分けられます。

① 遺伝的要因
欧米では約10%が遺伝しますが、ピロリ菌の感染率が高い日本では家族性胃がんはあまり注目されていません。
すべて記述してしまうと膨大な量になってしまうため省略しますが、
消化管にポリープが大量にできる家族性大腸腺腫・若年性ポリポーシス・Peutz-Jeghers症候群などやLynch症候群(他の項目で、説明します)は、家族性胃がんを発症することが知られています。
いずれも問診のみで家族性か判断できるため、自分の血縁にポリープが大量にできる方がいれば、本人様もポリープができやすい体質である可能性があるため、
一度内視鏡検査をご相談ください。早期発見・早期治療ができれば進行がんになるリスクを下げることができます。

② 環境要因
ほとんどの胃腺腫・胃がんの発生にピロリ菌が何らかの関与をしていますが、ピロリの除菌後や自然消失後も胃がんは発生します。
ピロリ菌感染のみでは発がんに至らず、ピロリ感染した胃粘膜が様々な遺伝子異常を引き起こし胃がんが発生すると言われています。
その過程において、胃の粘膜のDNAメチル化というのが極めて重要であると考えられています。このDNAメチル化は加齢とピロリ感染で強力に誘発されます。
DNEメチル化=胃がんの発生と言っても過言ではありません。
そのためピロリ菌の除菌は非常に重要です。また除菌後もメチル化は残存しますので、除菌後の胃癌も発生するのです。

除菌後も胃カメラの定期的な実施を継続しましょう!


③ その他の要因
自己免疫性胃炎も、ピロリ菌同様、胃がん発生の高リスク群です。
これは胃の胃壁細胞に対する自己抗体を産生してしまうため胃体部(胃の入り口に近い箇所)に高度の萎縮を生じます。
一見ピロリ菌感染に見えますが、実際にはピロリ菌はいなく、放っておくとがんになることがあります。
これは内視鏡で観察し、病理検査をしないと分かりません。
しかし極めて特徴的な所見をしているため、やはり一度内視鏡検査で精査することをお勧めします。

 

著者

酒井先生さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック
和光市駅前院

副院長 酒井 康行

資格

日本内科学会認定 認定内科医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
埼玉県難病指定医

経歴

平成23年岩手医科大学 卒業
平成23年盛岡赤十字病院
平成26年日本大学医学部付属病院 救急救命科
平成28年日本大学医学部付属病院 消化器肝臓内科
令和5年さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 副院長

当院は和光市・朝霞市・志木市を中心に埼玉全域の方に、生活習慣病(高脂血症、糖尿病、高血圧)、消化器内科診察(胃腸科)、肝臓内科診察(脂肪肝)、内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)を提供します。

有楽町線・東武東上線・副都心線の和光市駅南口駅徒歩1分の立地になります。
池袋などの豊島区や練馬区・板橋区からもアクセスがよい立地になりますので、広い範囲の方に当院の医療を提供いたします。

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