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その症状、漢方治療が有効かもしれません

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「さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院」院長の小幡です。

本日は漢方薬のお話をしたいと思います。
実際に漢方を飲んだ患者さんの中では、「まずいだけで全然効かなかった」と感じた方は多いのではないでしょうか。
それは体質に合った漢方が処方されていないからかもしれません。

 

漢方医学では必ずしも病名が決定していなくてもよく、身体の状態(複数の症状)と複数の作用をもつ漢方薬を当てはめて治療することが大切であるといわれています。
ではどのように患者さんの状態を診断しているのかご説明したいと思います。


腹痛などを主訴に外来を受診された患者さんには四診(望診・聞診・問診・切診)と呼ばれる診察を行い、身体の状態を知ります。
望診は顔色や舌の状態、聞診は声の大きさ、問診は痛みを悪化させたり軽減させる因子があるかなど体質についての質問、切診は腹部を触診する腹診です。
特に私が時間をかけて行っているのは問診と腹診であり、まずは冷えに関連して症状が悪化しているのか、熱が籠って症状が悪化しているのかを確認しています。

次に、気血水のバランスがどのように乱れているのかを確認します。
気の異常とは気の流れが滞っている気滞(いらいらや精神不安、腹部膨満など)と、エネルギーが不足している気虚(だるい、食欲低下、すぐおながが一杯になるなど)の状態です。
血の異常とは血液の流れが滞っている菸血(舌や下肢の静脈怒張、下腹部の圧痛抵抗など)と、血液が組織に十分に供給されず栄養が不足している血虚(皮膚の乾燥、脱毛、筋肉の痙攣やこむら返りなど)の状態です。
水の異常とは、水分が偏在しているむくみの状態である水滞(頭痛、めまい、下腿浮腫、胃内停水など)と、水分が不足している乾燥の状態である陰虚(口渇、多飲、乏尿など)のことを指します。

 

逆流性食道炎による胸焼けや嘔気、過敏性腸症候群による腹痛や腹部膨満などでおくすりを服用してもなかなか良くならない方に対して、一人一人の体質に合った漢方を併用することで症状が改善していくケースをよく経験します。
また漢方薬を長く服用していくことで体質が変化していき、お薬の量を徐々に減らしたり最終的には中止することが可能になります。

内科全般で漢方処方はよく使用されますが、消化器疾患と漢方は切っても切れないほど相性の良い関係にあります。
漢方処方には教科書だけではない外来での経験がものをいいます。

漢方治療にご興味のある方は一度、月曜、水曜、木曜、金曜の院長外来を受診してみてください。

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著者

さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック
和光市駅前院

院長 小幡 和彦

資格

日本内科学会認定 総合内科専門医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本ヘリコバクター学会認定 ヘリコバクターピロリ感染症認定医
埼玉県難病指定医

経歴

平成20年日本大学医学部 卒業
平成20年東京医科歯科大学病院
平成22年東京慈恵会医科大学付属病院
令和元年吉祥寺南病院 消化器内科医長
令和2年

医療法人社団おなか会 おなかクリニック
内視鏡センター長

令和5年

さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 院長

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